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私の話  作者: M
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専門学校 そして社会人へ 第一章

専門学校は医療系なのもあり、選択した学科には女子生徒しかいなかった。

他のフロアに別の学科があり、そこは男性生徒が殆どだった。

国家資格を得るには専門学校を卒業しないといけなかった。


専門学校でも私は陰キャなままだった。

キラキラ女子は眩しかったし輪に入ろうと思えなかった。


1人で昼食のお弁当を食べていると、3人のクラスメイトが声をかけてくれ一緒に食べてくれるようになり、初めて友達が出来た。

3人の内2人もバイトをしていて私のバイトに理解を示してくれた。

実家から通っている子、一人暮らし子のがいた。

私の家含め一人暮らしの子の家でお泊り会をしたり、初めてのカラオケやクラブ、合コンいろんな経験をさせて貰った。


田舎で育った私にはじゅうぶん都会だった。

外食に行けば母の手料理よりも美味しい料理が運ばれてくる。

私が笑っていても咎めたり否定する人はいなかった。


だが、学生生活が半年程たった頃に、資格取得を目的とした生徒の社会人グループ(年齢は20代後半~40代)が陽キャとぶつかり出したのだ。

教室で女同士の言い合いを盛大にし10代の方が我慢できず帰ってしまったり、実習中でも社会人グループは資格がないだけで現場で働いてきて経験がある為、10代学生に嫌味を言ったりと、田舎のいじめっ子達のような言動が目立った。

社会人グループの全員ではなくグループの3名がひときわ目立っていた。

性格も大人な人は

「一回りも年齢が下の子にあそこまで感情的になれるの逆にすごい」

「大人気なさすぎるよ」

と言って引いている社会人グループの人もいた。

学校側も社会人グループと陽キャの衝突は解決しないといけない事態までに悪化してしまい、立ち位置は社会人グループの印象が悪かった。

昼休み中に外出し、パチンコ屋の休憩室で喫煙していると苦情が入った事が決定打となり、社会人グループは次に何かしたら停学処分となってしまった。

現在はなくなったが当時2年で国家資格を受けられる学校が少しだけあった。

理由は2年で知識と経験を終了するのは難しいとされていたからだ。

なので、停学処分は事実上の国家試験の受験資格を失うという事だ。

ようやく社会人グループが大人しくなった。

しかし、社会人グループが次に目を付けたのが、席が近かった私だった。

授業中に「目ざわり」「帰ろ」「消えろ」「性格が嫌い」などと言われた。

暴力はなかったので、私は気にしておらず、友人は「社会人グループ怖いよね」と言いながら離れず友達のままでいてくれた。

私には友達が離れなかっただけでじゅうぶんだった。


夏休みに入り強制的に実家に帰省した。

バイト先はこころよく送り出してくれた。

見つからないように隠したが、荷物をあさられ携帯電話の存在がバレてしまい番号を広められてしまった。

生活費を貰っていなかった為か携帯を持っていた事を咎められる事はなかった。

次男も帰省予定だったが、就職活動と被り帰省をやめていた。


母と次男の電話で就職氷河期の為、給料が安い中小企業しか就職先がない事、大企業は国公立大学しか書類が通らない事、給料が安い為就職しても面倒を見て欲しい事などを話していた。

田舎にいる両親には就職氷河期も最低賃金も理解できないようだった。


久しぶりの実家はとても苦しかった。

一人暮らしをして、一度自由を手にしてしまったから余計につらかった。

だが、私以上に長男と結婚した義姉が

「Mちゃんの扱いを見ていて耐えられない」

「長男までMちゃんにあんな態度とると思わなかった」

と言い涙を流してくれた。

私は

「お姉ちゃんには関係ない事だから気にしないで。母の嫁いびりごめんね」

と言ったが、義姉は

「私は弟しかいないから妹が出来るの夢だったの」

「Mちゃんと仲良くしたいって心から思っていたの」

と言ってきた。

私が「私と仲良くすると孤立してしまうからやめた方が良い」と伝えた所で、長男が部屋に入ってきて、義姉に「そんな奴と話すな」と怒鳴った。

私は考えるより先に「私に怒鳴るのは良いけど、お姉ちゃんに怒鳴るのは違うでしょ」と初めて言い返していた。

反論した私に驚き長男は怯んだが、すぐに「黙れ」と言って義姉を連れて行った。


受験資格ギリギリの出席日数と単位の為、夏休みと冬休みはとても短った。

一人暮らしの家に帰る前に、母方の祖父の家に立ち寄り祖父とたくさん話した。

帰る時に祖父は「今度は泊りにおいで」と言ってくれたが私は「実家がそんなの許さないよ」と伝えると寂しそうな顔をして玄関から見送ってくれた。

ずっと祖父と一緒にいたかったが、バスターミナルに向かう。


そして、学校とバイトと友達と遊ぶ毎日が戻ってきた。

2年生になった頃、次男は社会人になっても生活費を親に送って貰っていて、ギャンブルと女遊びを繰り返していたようだ。

毎晩、母から携帯に着信があり、

「いつになったら返金始めるんだよ」

「さっさと金送れよ」

ともしもしと言った最初の言葉がなく、電話に出たと同時に罵声が聞こえてくる。

私「まだ学生だよ?バイト代は生活費で消えるよ。社会人になってからでしょ?」

と言ったが罵声が止まる事はなく、次第に私は電話に出なくなり留守番電話に大量のメッセージが残るようになった。


そして友達がセッティングしてくれた合コンで男性と出会った。

私は男性に興味がなく付き合う意味も分かっていなかったので、彼氏なんて考えた事もなく友達も私が彼氏を作らないと思っていた。

しかし出会った男性Yはグイグイ来るタイプで私は押しに弱かったので強制的に付き合う事になった。

友人も驚いていた。


男性Yは年上で建築現場で働く社会人だった。

現場に合わせて日本中転々とし、一軒家のような小さな建築物ではなく、行政が行うような大きな現場を仕事にしていた。

Yは付き合いだしたばかりの時、とてもやさしかった。

口癖は「前の女が浮気して別れたから、また同じことをされるのが心配で自分に自信もない」だった。

現場が始まると数か月、会社が用意した宿に泊まり戻れない事もあった。

ミスや事故がおきると作業が止まる為、休みになるたび会いにきてくれた。

都市開発が進み私が住んでいた県庁所在地に現場が集まるようになると

Y「家にあまりいないから実家にいるが、家は市営住宅の為、自分がいると家賃が跳ね上がってしまう。Mの家に住所を移させてくれないか?」

と言ってきた。

世間知らずで田舎者の私は住所を移すだけで家賃が浮くなら良いのかと思い了承してしまった。

その日を境にYは1DKの私の部屋に大量の荷物と共にやってきたのだ。

私は聞いていないし、狭い部屋でそれは嫌だと断った。

しかしYは市営住宅は管理が厳しいから、住所だけ移して自分が住んでいると密告が入ったり、バレてしまうと罰則があると押し切る形で無理やり同棲生活を始めたのだ。

これをきっかけに私は友人と遊ぶ時間を失うのだ。

常に私の浮気を疑い携帯を無断でチェックするのは当たり前、友人とカラオケに行くと、何時に帰って来るのか。こんな長時間本当にカラオケにいるのか?合コンでもしているのではないか。本当に男がいないか写真を送れ。携帯に男の名前を見つけるとYの前で電話をかけさせられ着信拒否・削除という束縛が始まったのだ。

私にここまで興味を持ってくれる人はいなかった。

ここまで心配するのは心から私の事を好きなのだろう。

と家族からの愛情を受けてこなかった私には束縛が悪いと判断できなかったのだ。

それでも友人は理解を示しYも含めて遊ぶようにしたりと気を使ってくれて私から離れる事なく、一緒にいてくれた。

次第に友人達にも彼氏ができ、学校では仲良く過ごしていたが遊ぶ事が少なくなっていった。


何より私を苦しめたのはYの金銭感覚だった。

今なら金銭感覚の違いは致命的で一緒にいるべきではないとすぐに思うが、当時の私は抗う事も知らず、受け入れる選択肢しか持っていなかったのだ。


ある程度同棲生活が続き落ち着いた時に

Y「実は俺バツイチなんだ」

Y「前の女が浮気して別れたのは彼女じゃなくて奥さんなんだ」

と告白してきた。

私「子供はいるの?」

Y「2人いて1人は出来ちゃった婚だったから、俺の子だけど2人目は浮気相手か俺の子か嫁もわからないと言っていた」

私「養育費は払っているの?」

Y「浮気されたのに俺が払うものじゃない」

私「奥さんと養育費は別物だよね?払ってないの?」

Y「払ってない。だからMとの生活に前の結婚が原因で迷惑をかける事はない」

私は言葉を失い俯く事しか出来なかった。

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