第91話 消息不明
ホコリくさい匂いが鼻を通り、僕ラヴィア・ゼフィールは鈍い痛みとともに薄くまぶたを開けると……そこは暗がりの部屋だった。
(……ここはどこ、?)
僕が辺りを見渡すと割れたガラスの破片や埃っぽいシーツ、散らばる紙などが床や棚に散乱していた。
僕は少しでも移動しようと手を床に着いた時、ジャラ……という音が自分の手首からして、僕は音のする方に目線を向けると、手首と足が鎖に繋がれていた。
(……え、なんで!?)
僕は慌てて魔法を使って切ろうとしたが、なぜか魔法が使えなかった。胸の奥がざらりとした感情に蝕まれ、自分の目から大粒の涙がこぼれ落ちてしまう。
(……みんな、助けて!!)
涙を拭おうと思うも両手が鎖で繋がれてるせいで上手く拭えずにいたところ、扉キィ……と開くとそこには馬車で見たローブを纏った人物じゃなく、幼い時僕を連れ去ろうとして罪で解雇されたメイドさんがいた。
「……なん、で?」
泣きじゃくった僕の顔見たメイドは隣のガタイのいい男から離れ、嬉しそうな笑みを浮かべ、鎖に繋がれてる僕に言った。
「成長しましたわね、ラヴィア様……!」
「あぁ、なんとお可愛らしい姿なのでしょう……」
「っ、来ないで!!」
そう、僕は拒否して言ったがそのメイドは正気を失ったのか僕の言葉を何にひとつ聞かず僕に近づいて抱きついてきた。
「気持ち悪いからやめて!!」
「……そんなに怖がらなくていいですのよ?」
「そのお顔が見たかったのですから!」
「っ!やめ、て……!」
どんなに抵抗しても、メイドは抱きしめる力を強めてはまるで僕の抵抗する意思を喜んでるようにも感じた。そんな僕は今魔法も使えず、身動きできない中でも抵抗するが……そんなのは意味がなく、気づけば身体がこわばり恐怖で力が抜けていた。
(……こわい、こわいよ!)
(やだ、!!助けて!!!)
そう、心で叫ぶもその思いは空に消えていく。
★★★★★★
気づけば時が過ぎ、いつからか……この状態が当たり前になってしまっていた。気持ち悪いメイドに逆らえばと痛めつけられることも珍しくもなかった。
(……もう、僕はみんなの元に帰れないんだ)
そう、思うが……涙は前みたいに零れずただ、ひたすら昔のような僕になってしまった。静かに繋がれた鎖を長めなていた時、扉が薄く開いてるのを見かけ、そこから扉の外から話し声が聞こえてきた。
「そろそろ移動しなきゃ奴らに見つかるぞー」
気だるげそうな声が聞こえたと思えば、慌ただしく言う声が聞こえてきた。
「では、その際……この幼子は?」
「あぁ、前の計画通りあのメイドと一緒に奴らの元に渡しといて」
「ですが!主様の命は……」
「あ?お前、今の立場わかってんの?」
「あのメイドには既に伝えてるから、あの子を手放す準備をしろ」
「……かしこまりました」
扉の門番とどこか聞き覚えのある声色だが思い出せず、話を静かに聞いていたけど……この話が僕の事だと分かり……僕はもう願わないでいた。
★★★★★★
ラヴィアが消息不明になったその頃……王族・学園・ウィザードベスニア・ギルドの一部の者に通達が入り、表立たずにラヴィアの捜索がされていた。
「お願い、お願いだからラヴィ……生きてて!!」
そう、願ったのはラヴィアの兄のリヴィアだった。珍しく慌てた様子で周りの捜索や証言などを収集して派遣などをし、ラヴィアの居場所を探し出そうとしていたが……一向に手がかりが見つからないでいた。
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