第84話 ラヴィアの魔法選定
連載一周年になった今日!記念に投稿します。一周年も会いに来てくださり、本当にありがとうございます…!これからも連載していきますのでどうかこれからも、気ままに追ってくださると嬉しいです(笑)それではどうぞ!
「――ヴィア様、――きて――さい」
聞き覚えのある声が、ふわふわとする意識の中でするが……まだ眠いためそのまま眠りにつこうとすると、今度ははっきりとした声が脳に響き渡る。
「リヴィア様、起きてください」
「……ん、なにぃ?」
私は突っ伏してた机からゆっくりと顔をあげ、目をこすりながらファリオンに言うと、ファリオンは表情を崩さないまま寝ぼけたままの私に言う。
「本日の夕刻頃、ラヴィア様の魔法選定があります」
「……え?」
ドクンっ!と心臓が高く鳴り響くのを感じた私はファリオンしかいないこの部屋で、貴族向けの表情を崩しながらファリオンに聞く。
「ラヴィの様子は?」
「楽しそうにしてました」
そう、淡々といつものように言うファリオンに私はため息をこぼしファリオンに強く言う。
「私も行くから手配しといて」
私が珍しく強気で言ったことにファリオンは声も出さず、ただ眉をぴくりと動かした後、首を縦に振ったファリオンは私に一礼し、部屋を出て行った。
(……僕みたいに、ならないで欲しいな)
そう思いながらも心がざわついては落ち着かず、気を紛らわすために父様の仕事をし夕刻まで時間を潰した。
★★★★★★
魔法選定の時間が来てしまい私はラヴィの手を繋いでいたが、とうとうラヴィが呼ばれてしまい私は手を放し見送った。
(……なんでもいいお願いだから、ラヴィには魔法適性があって欲しい)
私は平然としてるけど、心のざわつきは抑えられず胸に手を当て深呼吸をし心を落ち着かせると、次第にざわつきは弱まりラヴィの様子をもう一度見た。
「それでは始めます」
魔法師団長の掛け声とともに団長は呪文を唱える。
すると、魔方陣が透き通った水色にひかりだし、ラヴィの周りをくるくるとまとうように回り、高く広く淡く光っては……弾けた。
辺りが静まり返るなか、団長は口を開いた。
「水魔法の適性があります……が!」
「こんなにも綺麗で高度な魔法は、私が生きてきたなかで見たことがないです!!」
そう、興奮して言う団長に周りがざわつき出す。
団長がラヴィの元に行き質問攻めをしてるのを見た私は胸を撫で下ろし、さっきまでざわついてた心は落ち着いたが、なぜかぽっかりと穴が開いた思いを持ってしまう。
(……よかったけど、この感情はなんなんだろ)
ラヴィを見ながら穴が空いた感情を整理しようとするも、どんどんと濃くなるばかりでわからずにいた時、ラヴィが団長から逃げるように私の元に来ては手をぎゅっと握って少し上ずってしまう声で団長に言った。
「僕は、ルセアさんに魔法を教えてもらいますから……!」
人見知りで震えてしまうラヴィの手は私を強く握っていて、その無意識の仕草に私のさっきまで感じていた感情が少しだけ薄れ、笑顔で団長に言う。
「私の方からもルセア殿に伝えておきますので、心配してくださらなくて結構ですよ」
「ですが!水魔法は国では希少なうえ、教えられる人が限られて……」
「聞こえなかったですか?」
「ルセア・ミクス殿に王族である私、リヴィア・ゼフィールとラヴィア・ゼフィールが直々に指名すると仰ってるんですが……」
「魔法師団長はその意図がお分かりではなくて?」
功績を狙おうとするのが見える下心に私はうんざりするが少し強めな笑顔で言うと、団長は歯を食いしばって頭を下げてこの場を去った。
それから誰もいなくなったこの部屋で私はふぅ、と一息を突き肩の荷を下ろすと繋いだままの手をラヴィは見ては私に言った。
「あの、兄上……」
「ん、どうしたの?」
「手がふるえてますけど、僕のせいですか……?」
そう、涙目で言うラヴィに私は慌てて首を横に振りラヴィの背丈に合わせ、かがんで手を握り締めて言う。
「ラヴィのせいじゃないよ」
「私の問題だから大丈夫」
「でも……」
「ラヴィが気にすることじゃないから」
「それに魔法適性あってよかったよ!」
にっこりと笑って言う私にどこか不安げなラヴィだけど、それ以上なにも言わずこくりと頷くだけだった。――僕は思う、ほんとに僕みたいにならなくてよかった……と。
ここまでの読了お疲れ様でした!
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