第32話 ゼファーの気づき
───夜月が部屋を照らし、窓の隙間から吹きぬける風にカーテンが揺れるなかスヤスヤと眠るアイリーとクロエに俺、ゼファーは気づけば笑みが浮かんでいた。そんな俺はクロエとアイリーが一緒に寝てるベッドの近くに行き二人の寝顔を静かに眺める。クロエの腕の中で眠るアイリーにぎゅっとアイリーを抱きしめるクロエ……そんな二人はまるで姉妹のようだった。
………どうして、俺はこんなに胸がざわつくんだ
胸に手を当てるもトクトクと心音が早くなるだけで解決策なんて見つかりもしない……部屋には俺の心音と静寂だけが訪れていく。
その時───、クロエが寝返りをうったかと思えば手を伸ばしながら震えるか細い声でつぶやいた。
「いか……ない、で………」
ぽたっと涙がクロエの瞳から零れ落ち、それを見た俺はすぐにクロエの手をとりながら必死に言う。
「どこにも行かねぇよ…!!」
そう、俺が言ったのが届いたのかクロエは安心した笑顔でまた眠りについた。
……なんで…なんでクロエはそんなに強いんだ。なんで一人で全部抱えようとすんだよ、大丈夫じゃないのになんで、大丈夫って言うんだよ…。昔の俺じゃねぇかよ…!!俺がいることに気づいけよ…!!クロエは一人じゃ、ないのに……
気づけば俺はクロエの手を額にあてながら涙を流していた。…クロエの過去を聞いた時、やるせない感情に支配されただ、俺は抱きしめることしかできなかった。クロエは強くさせられたのが正解なのかもしれない……
どうしようと無い感情にただ涙を流すことしかできないでいた時、セラの記憶が脳裏に浮かんだ。
『兄さん知ってる?本当の愛ってね、嫉妬や依存、執着じゃなく。その人の全部を受け止められて、その人が傷ついたら誰よりも許せなくて、それでもその人が生きてることが幸せなら自分も幸せなのが本当の愛なんだって!』
そう満面な笑顔で言ったセラに俺はこの感情の正体がわかった。そして涙もピタリと止んだと同時に頬に熱が集中するのを感じた、…そっか。俺クロエのこと、本気で好きなんだな
セラに言われた当時の俺は分からなかったけど。今ならわかる、だって……出会った時からクロエから目を離せなかったから、どこか儚げで切ない表情の時もあった、それでも強く常に笑顔で気づけばこっちが救われることが多かった。心はストン─と腑に落ち、さっきまでざわついてた心がモヤが晴れるように落ち着いた。
……あぁ、自覚したらやべぇな。これ
顔が赤くなるのを感じながら俺は寝ているクロエの手をそっとベッドに寝かせ、クロエの髪をすくいながら頭を撫でる。
「………好きだよ、クロエ」
ぽつりと、つぶやくもその声が空気に呑まれるだけで当の本人には届かない。そんなもどかしさに言葉が出なく、恥ずかしくもなり俺は隣にある自分のベッドに寝転び布団を掛けまぶたをゆっくりと落としていく。
……この想い、今は隠さなきゃダメだ。でも…でもいつか伝えられる日が来たら、伝えよう
そう心に誓った俺はその後気づけば眠りの世界へと落ちていた。
ここまでの読了お疲れ様でした!
読んでくださり本当にありがたいかぎりです。「こういうキャラ好き!」「この展開アツかった!」などなど……、どんな感想でも大歓迎ですのでもしよければ一言だけでも構いません。気軽に感想やコメントしていただけると作者兼読者としても飛び上がるほど嬉しいです!!
それと強制ではないのですがよかったらブックマークや下の評価、いいねなど押していただくと助かります!無理にとは言わないのでご安心を……閲覧してくださることに意味がありますので気ままに見てくださると嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いいたします。




