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王子の婚約者だったクロエ、第二の物語は冒険者です  作者: もち
第1章

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第1話 婚約破棄は承知済み


私クロエ・スティードは、この時を待ち望んでいた――。



(……ついに今日がきたのね)



 今夜は一つ上の婚約者の卒業パーティー……だけど、私をエスコートもしなければ隣にいる女性を連れてはデレデレとした気味悪い顔をしている婚約者がいた。私は近くの柱に寄りかかりふぅ、と息を零しながら伏し目がちな目で辺りを見渡すとその視線に気づいた婚約者が口角をあげ、私の近くまで来て高らかと告げる。



「クロエ・スティード公爵令嬢、俺はお前との婚約を破棄する!そして、メリー・バレット子爵令嬢を俺の妃とする!」

(……ふ、バカな王子様だこと)



 私は片側の口角が上がりそうになるのを必死に抑えながら微笑みを浮かべ、この国の第二王子ルイ・スチュワード殿下に告げる。



「よろしいですわ、お受けいたしましょう」



 その瞬間……あたりがザワつく。婚約者だったルイ殿下の淡い銀髪とエメラルドの瞳はゆらりと揺れては唇を強く嚙んでいた。そして隣にいる桃色髪と瞳のバレット譲も似たような表情をしていた。急な婚約破棄にあたりは騒然とし、様々なまなざしを向けられうんざりするが、淑女らしく微笑みを浮かべ殿下の瞳をまっすぐ見つめていたら向こうが耐えられなくなり視線を私から外した。



(……相変わらず逃げ癖は変わってないのね)



 呆れながらそう思う私はこの後の出来事の方が大事なため、待ち遠しい気持ちを悟られぬよう開いていた扇子をパチン、と閉じ二人の背後にふわりと風を吹かす……が二人は気づかない。私はそれをいいことに二人に笑顔で約束を問う。



「お二人のご婚約を心より祝福いたしますが……」

「これだけはお約束ください」

「私のことは何ひとつ干渉しないでくださいませ」

「例えどんなことがあっても」



 私は目元を細めながら微笑みを浮かべ二人に問うが、その意図が分かってない殿下は眉をしかめながらもバレット譲の腰を抱いては私に言った。



「お前ごときに干渉する暇など俺にはないっ!」

「メリーは俺の妃になったのだからな?」

「ルイさまぁ!」

「あたくしも嬉しいですぅ!」

(……ある意味この二人はお似合いね)



 そう見つめ合っては言う二人に私は冷めているのか、気味悪さを覚えながらも心はやっと……本当の意味で解放されるという実感を得て、すさんだ瞳が少しだけ希望を戻し今まで通り地味な作法で最後の別れを告げる。


「では、私はこれにて失礼しますわ」



 私がいつものように言っただけなのに……、なぜかあたりの視線は固まり不思議に思うが気にせず私は次の楽しみのためすぐに王宮の広間からスティード公爵家へと向かった。




ここまでの読了お疲れ様でした!

読んでくださり本当にありがたいかぎりです。「こういうキャラ好き!」「この展開アツかった!」などなど……、どんな感想でも大歓迎ですのでもしよければ一言だけでも構いません。気軽に感想やコメントしていただけると作者兼読者としても飛び上がるほど嬉しいです!!


それと強制ではないのですがよかったらブックマークや下の評価、いいねなど押していただくと助かります!無理にとは言わないのでご安心を……閲覧してくださることに意味がありますので気ままに見てくださると嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いいたします。


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