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8.肥大化した自我(2)


 たとえば、精神をおいつめるイメージを言葉にするなら、それは、まるで、先がどんどんすぼまっていくトンネル、に、似ている


 いけばいくほどに、地面は急斜面となり、空気は薄くなり、光はすぼむ


 最後に到達したとき、そこには、もしかすれば、やっと利き手が入るだけの穴しか残されていないとしても(身体はそこから外へ二度と出られないとしても)


 わずかに覗く穴から、外を眺めようとするだろう


 必死に顔を近づけて、ひんやりとしたくうきを感じながら、その穴に目をあてるだろう


 外を見るために


 **


 そう、それは、まるでそういったイメージの先の見えない、それ だ


 **


 ……けれども、わたしは、小説を書くという創作は、そういった、精神を抉るという作業とは、すこし違うように感じていて、


 それ が、とても不思議に思う要素でもある



 **


 先でも述べたように、わたしの感覚でそれ を表現するのなら、


 それ は、精神ではなく、計画であり、


 それ は、すぼまるものではなく、ふよふよとまとわりつくもの


 そういった ものだと思えてならないからだ

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