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6.溶ける


 とける


 溶けていく、でしょうね


 書く、とは、そういうことなのでしょう ね


 ……それ は、一体化、で あり、


 それ は、他者では ないのです



 **


 飽くまでも


 そこ は、内側のなかの 外側、で あり


 それ は、隔絶された 空間


 別個の宇宙、と仮としてもいえるもの


 物語、とは、そういうものであり


 物語、とは、空間であるのです


 **


 ……しかし、それも、一時的なもの


 それら は、一体化し


 とろけ、


 打ち捨てられ



 吸収し


 吸収され


 外へと


 内側の外側へと


 成り変わるものでしょ う



 **


 それ は、やはり、違うものであるのです


 趣を変えて



 それ は、溶けるものではあるけれど も


 それ は、抉りつづけるものでは ありえず


 それ は、いつの間にか吸収され


 別の命として


 成り変わり


 廻り始める


 自律的な環


 **


 それ が、きっと、物語 というもので ありましょう


 **


 それ は、作者から起点し、作者で終わる 


 一点の中心点とはいえず


 それ は、自律したうえで、起点を外側へ置く


 異質な環


 それ が、物語 というもので ありましょう



 **


 コントロールをしようとすればするほどに


 物語の自律性は失われ


 そのままに、環は縮むものでしょう が、



 本質は、そこ で ありましょう?



 **



 小説を書くという行為は、


 だからこそ、異であり 意であり 外 であり 内であるのでしょう?



 時はそこにあるのに


 時がゆるやかに動く


 宇宙の環


 それは、どこまでも仮であり



 フィクションでありますでしょうに


 **


 だからこそ、異なもの 不思議な ものと 思えるのです 



  

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