助っ人は商人だそうです
前回のダイジェスト
自己紹介と旅がスタート 以上!
「いたいた、小橋ちゃーん!」
そう言って向かった先にいたのは…大型犬を5倍ぐらい大きくしたような毛深い…馬のような動物を連れていた、見た目14歳ぐらいの少女のもとであった。
…えっ、こいつらが助っ人?
「紹介しよう。この方が今回の旅の助っ人である小橋ちゃん。そして、こちらは聖獣ことクルトポカル君。そんでその上に載っている、のほほんとしていて全く役に立たなさそうな男がシリウス」
「はあ…」
俺はただ、そう答えることしかできなかった。俺の予想していたような人間はここには誰一人としていない。こいつらが旅のプロ?旅すらしてないように見えるぞ。
「…メディカ、お前ふざけてんのか。いくらなんでも旅をなめすぎだろ」
「さてはあーた、全然信用しとらんな(ビシッと指さす)」
なんだろう、この既視感。もう突っ込まない。絶対に。そんなことを思っていたら、小橋が近づいてきて、(…そういえば、コバシなんて名前珍しいな)
「お主が、病人のリート君か。私は小橋。一応、本職は旅商人」
ハァ?商人⁉お前、まともな戦闘できんのか?
「まあ、そんな顔するのも当然だよね。でもまあ、安心してくれ。私は最強の商人だからな。具体的に言えば、あんたの両親が一斉に殺しに来ても勝てるよ絶対に(と自信たっぷりの顔で言う)」
「…そうやって口だけで言われてもなあ。じゃあ、その強さを見せてくれよ」
すると、さっきまでとは一転して困った表情で「う~ん…」と言いながら
「私の能力、あんま、人が見てる中で使いたくないんよ。…そや、シリウス!あんたの強さをちょいと見せたれ!」
ああ、そういえばもう一人、よくわからん奴がいたな…と思いつつ、そいつがいた方向に目を向けたとき、そこには男がいなかった。そのかわり、
「とろいな。あんた一人ならもう死んでるぞ」
そういって、俺ののど元に背後から刃をぴったりとつけていた。こいつは強い。間違いなく強いとそう確信した。俺ののど元に刃をつけるのがすごいのではない。刃をつけているにもかかわらず、俺が気配の一つも感じないのがすごいのである。シリウスという男はナイフをそっと離した後、
「小橋様は俺なんかと比べ物にならないぐらい強い。少しは信用してくれたか?」
んー…この人は強いと分かったけどなぁ…
「あーたが、信用しようがしまいが、もう引き返せんけどな」(メディカ)
…そういえば、忘れていてけど、俺が何と言おうがもう引き返せはできないんでしたっけ。…というか、ここら辺もきちんと聞いとかんといけなかったな。後悔先に立たずかよ…
トホホ…
あれ、主人公君弱い?
ご安心ください。次の章で真実が分かります