死ぬ運命は避けられない
前回のダイジェスト
胡散臭い医者がいきなり家に来た。以上
「さては、あーた、全然信用しとらんな!(ビシッ!と指さす)」
俺はこれほどまでにしょうもないことで『ビシッ!』が似合うやつはそうそういないだろうと思った。いちいち動きがうるさいんだよ…
「信用してないっていうか、いろいろ起きすぎてついていけねーんだよ。…というか、何でここに来た?見た感じおやじたちが頼んだようには見えないんだけど」
「だから、あーたを治療させに来たって言っただろ。あんたは耳も悪いんか?」
「ちげえよ。なんで頼んでもないのに治療しに来たんだと聞いてるんだよ!」
するとメディカは驚いた様子で、
「…それ、言わんといけんか?病気が治るんだから別によーないか?」
お前は医者のくせにインフォームドコンセントを知らないんか?(注:この世界では違う名前です)
「あったりめーだろ!いくらあんたが医者であろうと、そうやすやすと命にかかわるようなことをさせるかよ!あんたは患者の命をなんだと思ってるんだ!」
すると、さっきまでの調子とは一転真剣なトーンで
「それはよう分かっとる。ただまあ、理由が理由だし、私は話すと決めたら全部正直に話したい性だからな。だから、できれば話したくなかったんだ」
なんだよそれ…。それってもしかして…。
俺はこの先を聞くのが怖かった。だが逃げられない現実もある。それが、多分今この時なんだ。俺は一度大きく深呼吸する。
「構わん、話せ。ぶっちゃけ覚悟はしていた」
「…そうか。なら、単刀直入にいう。あんたは18までに始末される」
そっか、俺はもって18まで…って、オイ待て!始末される!?
「俺、始末されんの⁉病気で死ぬとかじゃなくて⁉なんで⁉」
「うん。始末される。もって18だから正直いつ君が殺されてもおかしくはない」
「why?(なんで?)」
「詳細はすまんが分からん。まっ、結局君のその病が原因だろうから、病気で死ぬのと変わらないか…な?」
だいぶ違うでしょ!事故と事件くらい違うよねそれ
「始末するって誰が⁉俺のことを知ってる人なんて数えるほどしかいないぞ!」
メディカを問い詰める。するとメディカはしばらくの間宙を見上げていたが、決心したのか、俺の顔をしっかり見ながらこう言った
「あんたの両親だよ。彼らが君の存在を抹消しようとしているんだ」