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『やばいやつ』…?

噂で終わるはずもなく…

前回のダイジェスト どうやら西の平原に『やばいやつ』がいるようで

「どうかご無事で!」

そういって名も知らない家族と別れ、西へと進み続けた。

「そういえば、南のほうも街道でなにかがあったのですよね。なにか関係があるのでしょうか」

「詳しくは分からんから何とも言えんが、無関係…とも思えないな」

小橋はまだ関所にすらついていないが、「気をつけろ」と注意した。

「しかし…2週間も通行規制となると、おそらく地方じゃどうにもならないから王都とかに派遣依頼を出しているのだろうな。ただ、それにしては被害とかの話題は聞かないな…」(シリウス)

「そう。そこが不思議なのじゃ。強さのわりに被害の話題が出なかったんじゃ。…おそらくだが、それなりに知能があるんじゃないかと思う。がむしゃらに村や人を襲ったりしてないのだろう」


太陽が真上に上ったころ俺たちは関所の近くに来ていた。

「うーむ、確かに兵が多いな。こりゃ確かになにかがあったんだろう」

木の上で双眼鏡を覗きながらシリウスは答える。

「それで、どうやって関所を乗り越えるんですか?」

「よし!それじゃあ方法をを見せしよう。クルポカ!いつものようにお願い!」

「グラァ!」

小橋はそういってジャンプをする…ってええっ⁉

なんと小橋が宙に浮いたしかもそれだけじゃなく、その後もジャンプをしたり何もないところをつかんで上り、シリウスの隣に座った。

「別にこんなにアクロバティックにやらんくてもいいけどな」

小橋はにかっっと笑う。メディカも俺も開いた口がふさがっていない

「お主らも思いっきりジャンプしてみな!」

と小橋が言う。俺はメディカと顔を見合わせる。メディカは訳も分からず全力でジャンプしたすると、

「へっ⁉」

メディカもまた、宙に浮いた。俺も恐る恐る跳んでみると

「ファ!?」

俺も宙に浮いた。いや、宙に立っている⁉。足元を見ても何もない。けれども足でたたくと何かがある。俺とメディカが理解できずにいるとき、クルトポカルと目が合った。…あれっ?もしかして

「これってもしかして…」

「分かった?これはクルポカの結界術を応用したものじゃ。つまり主らがたっているのは、四角い結界の天井とでもいえばいいのかな?」

まじか、こんなこともできるのか!と思い羨望のまなざしでクルトポカルを見ると「グラ?」ととぼけるように鳴いた。

そんなわけでクルトポカルの力を利用して兵士があまりいないところの壁をひょいと乗り越え、俺たちは心地よい風が吹く平原に出た。俺は『やばいやつ』に出くわさないようにと祈りながら歩き続けた。


夜になった。平原地帯は難なく抜けてここは野生の果実が多い地域に来ていた。野宿の準備中

「何もなくてよかったな」

とシリウスが言ったが、どこか残念そうな感じであった。

「ただね、やっぱり何かがあったような痕跡は全然なかったのよね…」

と小橋が言う。メディカがそれに頷いた。

「ただの、デマだったのですかね…」

「いや、すでに王都の軍が動いてるだろうからそれはないだろう。確固たる証拠があったから、こんなことになっているんだろ」

そのあとで、「まあ、どれだけ考えても想像でしかないからな」と付け足して、シリウスはカレーを食べた。俺もカレーを食べる。庶民の食べ物とか言ってたけどうまいな…。それにしても、こんな場所でカレーを食べるなんて贅沢だなぁ~。心地よい気候、自分たち以外に誰もおらず、開放的。そして満天の夜空。素晴らしい!

…2つの心配事を除けばな。

俺たちがカレーを食べ終えて、寝ようとしていた時、

「何かがもの凄いスピードで接近してきている!」

俺は慌てて周りを見る。俺が左に振り向いたとき、そいつは5メートルも離れていなかった。

「クルポカ!左!」

「グルァ!」

そいつは速度を緩めることなく、俺に全力のパンチを叩き込もうとしたが、そのこぶしは結界に阻まれたようで、「ブワン」と音が鳴った。一瞬驚いたようで止まっていたが、今度はお構いなしに連続で殴り続ける。そこに、シリウスのナイフが飛んできたが、バク中で避ける。恐ろしく洗練された動作。間違いなく強者である。

「リート…うっ…上」

上…?‼‼‼!!

いやほんと今思い出しても恐ろしいよ。メディカに上を見たらさ、炎をまっとた大小さまざまな岩が流星のごとく降ってきてたんだよ。さすがに死んだなと思ったよ。ただ、小橋は冷静だった。

「さすがにこれを結界で受けるのはあほだな。全弾追尾、1方向、迎撃型!」

そしたら、地上から前見たときと同じような白い球が発射され、岩とぶつかり煙が巻き起こる。俺たちには煙は結界があるから入ってこないけど、その周りは煙で何も見えない。しばらくして煙が収まってくるとそいつは未だにそこで立っていた。俺たちが生きているのを確認するや否や、攻撃をしようと構えようとしたが、途中で何かに気づいたのか動きを止めた。そして、

「ソウカ。キサマハコバシカ」

…?知り合い⁉

『やばいやつ』の正体は…

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