第六十二話 RPを限界まで高めよう ~RPと時間の件~
赤、青、赤、青。
魔法陣の色は瞬時に変わる。
俺はRPを0、1万、0、1万と変化させる。
1秒経過、赤。
1秒経過、青。
時間が経ったから魔法陣が変わったのではない。
俺が時間をコントロールしているのだ。
今は1秒経過した、だからRPを0に、そして魔法陣は赤だ。
「ホッホッホ。慣れたもんじゃの」
「まだまだ、こんなもんじゃないです!」
俺は1秒をオーディンの感じる時間で1時間に調整して見せた。
足元の魔法陣は赤いまま変化しない。
俺が決めたオーディンの時間1時間後の1秒後まで変化させない。
「ホッホッホ。こりゃあ、末恐ろしいわい。
さっそく次の訓練へと取り掛かるかの」
「次は何をすればいいですか?」
俺はとにかく早く訓練を終えてみんなを助けに行きたい。
「ホッホッホ。次はRPの使い方じゃ」
「RPの使い方ですか?」
「ホッホッホ。そうじゃ」
「俺はRPを0から最大出力2200万までコントロールは出来ます。
それに今回の訓練で、RP出力の切り替えの精度は相当上がったはずです」
「ホッホッホ。アルス君は1時間全力で戦うとして、その前後の時間のRPはどうしてるかね?」
「戦う前後ですか?
それは戦う前はRPを0に押さえているし、戦った後は休んでRPの回復に努めます。
回復した後はRPを0にまた押さえますね」
「ホッホッホ。戦わない時間のRPを戦う時に回せたらと考えたことはないかな?」
「え? そんなこと出来るんですか?」
時間は過去から未来へ流れるものだと思っていた時は疑問にすら思わなかった。
そうだ、今や自分の時間はコントロール出来るのだ。
戦っていない時間のRPを戦う時間に加算出来れば爆発的に力をあげることが出来る。
「まさか……」
「ホッホッホ。ワシも含めてこの世界の強者は多かれ少なかれコントロールしとるな。
戦わない時間のRPを戦闘時に加算するのじゃ」
1時間2200万で戦い続けるとして、その前の1時間の2000万を戦闘時に加算できれば4200万で戦える。
もし、命を賭する覚悟があるのであれば未来のRPを全て加算出来れば1億? 10億?
際限なく強くなれる。
「ホッホッホ。命を賭して力を得ようとしてはならんぞ。
まあ、自身の無意識の心のブレーキがそれを許さんがのう」
俺の考えを見抜かれてしまったのか、たしかに死ぬ覚悟で全てを使い果たすなんて事はよほどのことが無い限り……。
「ホッホッホ。焦るな。焦るな。
次はRPを高める訓練じゃ。
過去、自身が使わなかった時間のRPを今日以降に加算するイメージじゃ」
「わかりました!」
俺は過去、戦っていない間のRPを今のRPに加算するイメージをした。
集中して過去の自分をイメージ。
現在の自分へ重ねる。
「うおおおおおおおおおおお!」
「ホッホッホ。現在のRP2201万。
1万だけ増えたの」
「たった1万……」
「ホッホッホ。焦るでない。焦るでない」
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あれから一週間来る日も来る日もRPを高めるイメージを繰り返している。
「ホッホッホ。今日は2203万」
「ダ、ダメか……」
なかなか上手くいかない。
RPを加算するイメージと言っても何かコツがあるんだろうか?
魔法陣の訓練を思い出せ。
時間なんてのは所詮幻想。
今の自分を中心に過去と未来もこの周りの空間と同じように考えるんだ。
1時間前の俺。
2時間前の俺。
3時間前の俺。
別人だと考えてRPをもらい受ける?
「これだ!」
他者とRPで一体となるイメージは過去幾度となくあった。
違う時間に居る自分は全て他人だと思うとイメージしやすい。
「ホッホッホ。4000万。5000万。6000万」
「どうでしょう? まだまだ行けます!」
「ホッホッホ。もうよい。もうよい。
ここまで早くコントロール出来るようになるとは驚きじゃ」
「次はどうしましょう?」
「ホッホッホ。次は実践じゃワシの近衛兵と戦ってもらうぞ」
オーディンの近衛兵?
一体どんな奴だ?




