タクミの真の力
ここから物語は一気に動きます。
…………正確には動かざるをえないなんですが;;;;
timeトーナメントの日の夜
sideタクミ
…………あれから刺された箇所を包帯で巻いて何とか完全に止血したけど……(家に着くまではセイルさんが頑張って止めていてくれた…………ありがとう、セイルさん。)
キラ兄さんの意識はまだ戻らない……
マフジーさんの話だと……この世界では病院がないらしい…………だから必然的に自宅療養となってしまうらしい。
「お願い!キラ兄さん…………目覚めて!!」
僕はそう呟きながらキラ兄さんの左手をギュッと握った…………
time夜→翌朝
sideタクミ→セイル
……タクミさん、あれから食事や入浴の時間以外ずっと……キラさんの側についている…………キラさん、大丈夫かな……
「セイル……」
「マフジーさん……」
キラさんの部屋の前に立ってたら後ろからマフジーさんが私の肩を叩いてました。
「心配なのは俺達も同じさ。でも……キラはタクミを守る為に刺されたんだと思う。」
「…………」
「ここは……タクミに任せよう。」
「そう……ですね…………」
私達が部屋を離れようとした…………その時!
「……??なんでしょうか……この光は…………」
「キラの部屋からじゃないか??」
私とマフジーさんは慌ててキラさんの部屋に入りました。
もしかして……二人の身に何かあったのではと…………
不安を隠しきれないままドアを開けると…………
そこには淡い緑色のオーラのようなものに包まれているタクミさんとキラさんがいました…………
「これは……??」
「…………きっと、タクミの真の力が目覚めたんだ……!」
マフジーさんの説明によると……
心に闇を抱えた人には必ず隠れた能力が一つあると言われているらしく……淡い緑色のオーラのようなものはそれが発動している合図なのだ……
ということらしいです。
すると、数分光ってた二人を包んでいたオーラが消えて……マフジーさんと一緒に二人の元へと駆け寄る……すると、
「う…………うぅ……」
「キラ!!」
「キラさん!」
キラさんがゆっくりとですが……目を覚ましました!!
マフジー「お……俺みんなに伝えてくる!!」
そういってマフジーさんは大慌てで部屋を飛び出して行きました……大丈夫でsy……
ドンガラガッシャーン!
…………大丈夫じゃ無かったですね;;
「俺は……生きて……いる……のか?」
「はい!そうですよ!!」
私は(マフジーさんの無事を案じつつ)目頭に熱いものを浮かばせながらキラさんの右手をしっかりと握った。
(左手はタクミさんがずっと握ってたので)
「…………タクミ?」
あ、タクミさんが起きましたね……
「キラ……兄さん…………良かった……本当に……良かった…………」
タクミさんが顔を埋めています……余程だったんですね…………
「すまなかったな……心配をかけちまって…………」
キラさんがゆっくりと右手(もう放してますよ)をタクミさんの頭に置いて撫でてます。
「キラ兄さん!!」
「キラ君!!」
あ、ディノさんとパールさん、それとマフジーさんも来ましたね。
「マフジーさん……大丈夫でした?」
「おう;; 焦り過ぎててな;;;」
私がマフジーさんの側に近付いて小声で聞くと苦笑いしながら返事を返してくれました;;
取り合えず…………良かったです。
time数日後
sideセイル→キラ
取り合えず意識を取り戻した俺は少しの間安静にしていてて、今日は久しぶり(といってもそれほどでもないけど……)にタクミと共に小高い丘まで来た。
「何ですか?僕に用事って…………」
タクミの無邪気な笑顔に本音を言うのを一瞬躊躇ったが……言うしかないと決意した…………
「俺とお前の…………過去についてだ。」
「…………っ!?」
タクミの顔が強ばり、息を呑む音が聞こえた。
そして俺は前にディノ達に話したあの過去の話をディノ達に話したまんまの事を伝えた。
「…………これがお前の封じられた過去だ。」
話終え、タクミの顔をチラリと見ると寂しげな顔を浮かべていた……
「…………すまなかったな。」
「…………え?」
俺が謝るとタクミはキョトンとした顔でこちらを見ている…………
「俺が……もうちょっとしっかりしていればこんなことにはならなかった筈なのに…………」
「!? …………いえ。大丈夫……です。」
何だか湿っぽくなっているな…………でも、これと言って話を変える事もしづらいし…………
ーそれが真実かー
と、変な声が聞こえてきた……
「っ!?誰だ!?」
俺はタクミの手をしっかりと繋ぎ、謎の声の主に対して怒鳴った。
ー先程の話は真実かと聞いているー
さっきの……話…………
「…………ああ、真実だ。紛れもない……な。」
ー果たしてそうか……我が見極めよう。フフフフフフー
謎の笑い声が聞こえてきたかと思うと突然辺りに黒い霧が発生し始めた!
「キラ兄さん…………」
「大丈夫だ……大丈夫。」
俺はタクミを守るためにしっかりと抱いている。
すると……
「キラ兄さんっ!!」
「キラッ!!」
「キラさんっ!!」
「キラ君っ!!」
ディノ達が草むらから飛び出してきて俺の周りに集まってきた!!
…………ってか居たの??
「みんな……どうして…………」
「リーダーを心配するのが不思議か?」
とニヤリと笑いながらマフジーが肩を叩いた
「俺達はチームなんだ。何処に行くにしろ……一緒じゃなきゃな。」
その言葉にウンウンと頷くみんな……
「それに……タクミさんを守るのも私達の仕事なんですよ!」
セイルがニコッと微笑みながらタクミの肩に優しく手を置いた…………
ってかいつの間に仲良くなったんだ??←知らない
ーフン……予想より人数が多いが構うまい。こやつの隠し続けている事を明らかにしてやろうー
すると黒い霧は更に強く渦巻いて俺達を完全に包み込んだ!!
すると……突然意識が失われていく感じかした…………
…………デジャブだろうか…………前にもこんなことなかったっけ?




