慶喜の弟
最終エピソード掲載日:2025/12/12
幕末、水戸藩主徳川斉昭の19男として生まれた徳川喜徳(のぶのり)は、武家の娘を母に持つため兄弟の中でも目立たぬ存在だった。父母の愛を知らず育った彼が憧れたのは、才気に満ち政の中心に立つ異母兄・慶喜のみである。
やがて慶喜に請われた喜徳は会津藩へ養子に入る。兄の役に立てる唯一の道だと信じて。
しかし明治元年、鳥羽・伏見で新政府軍に敗れた慶喜は会津勢を見放し、喜徳の心は大きく裂けたのだった。
「駒とて心はある」と兄に訴え、2人は決裂した。
後年、喜徳が病でこの世を去った日、その住処を訪れた慶喜は果たしてそこで、かつて自らが喜徳に贈った和歌が破かれた跡が継ぎ直され文箱に大切にしまわれていたのを知り、弟が抱えていた愛憎の深さに後悔の涙を落とすのだった。
やがて慶喜に請われた喜徳は会津藩へ養子に入る。兄の役に立てる唯一の道だと信じて。
しかし明治元年、鳥羽・伏見で新政府軍に敗れた慶喜は会津勢を見放し、喜徳の心は大きく裂けたのだった。
「駒とて心はある」と兄に訴え、2人は決裂した。
後年、喜徳が病でこの世を去った日、その住処を訪れた慶喜は果たしてそこで、かつて自らが喜徳に贈った和歌が破かれた跡が継ぎ直され文箱に大切にしまわれていたのを知り、弟が抱えていた愛憎の深さに後悔の涙を落とすのだった。