表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

第1話「戻るゴミ」



夕暮れの田舎道は、どこか不気味に静まり返っていた。

住宅街から外れた細い道を進んだ先、林の影に隠れるようにあるのが、町内唯一のゴミ集積所だ。


そこは昔から妙な噂が絶えない場所だった。

曰く――集積日を間違えてゴミを置いてしまうと、そのゴミは夜のうちに“自分の部屋へ戻ってくる”という。

子供の頃に聞いた話で、大人になった今となっては誰も本気にしない。だが、それでも集積所に足を運ぶたび、背中に薄ら寒いものを感じずにはいられなかった。


その日も俺は、手にした袋を握りしめていた。

中身はありふれた生活ゴミ。

だが、人気のない集積所に立つと、まるで自分の行動が誰かに監視されているかのような気配に包まれる。


湿った空気がまとわりつく。

袋を置いた瞬間、どこかでガサリと何かが動いた気がした。

振り返っても誰もいない。


「……気味が悪い」


そう呟き、足早に帰路につく。

だが――玄関の鍵を開けて中へ入った瞬間、鼻腔をついたのは、集積所で感じたあの湿った匂いだった。


暗い部屋の奥。

そこに“あるはずのないもの”があった。


――リビングの隅に、たった今捨ててきたはずのゴミ袋が、音もなく置かれていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ