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クローバー・デイズ  作者: 原ボディ男
1/10

記憶がございません

 生まれたての雛鳥は初めて見たものを親だと思うらしい、

 

 「これ、君が殺ったの?」


 大きな翼をはやした女がバサッと翼を羽ばたかせながら降りてゆく。翼は地面に降りると消えた、その女の子は自分よりかなり身長が低く童顔だったので年下に見えるが、年上にも見える貫禄があった


 「た…多分」


 「たぶん?」


 「お、覚えてない…です全部」


 「全部ってどのくらい?」


 「えーと」


 記憶をたどろうとしたが変な気分だった、生まれてからの記憶が一つもない


 「生まれた時から全部…ですかね」


 「そりゃあ重傷だな」


 この時の僕は生まれたてと言っても過言ではない状態だった


 「じゃあ、私から逃げて人殺しとして生きるか、私の仲間になるか。選ばしたげる」


 僕はなぜか、はじめに出会った彼女を信用できる人間だと思った。


 「私の名はアマバ、よろしく」


 

 

 「少し私たちの話をしようか」

 

 どこかへ歩きながら会話をした


 「あの死体、私たちが結構てこずっていた敵なんだ、『ブルー・シンフォニー』って名前なんだけど」


 ブルー・シンフォニー、明らかに人の名前ではない、コードネームかなんかだろうか


 「敵って、戦ってたんですか?」


 「うん、殺し合いだよ、君が殺さなくてもいつか私たちが殺していた。だから君があれを殺したことを気に病むことはないよ」


 あとタメ語でいいよと付け足す


 何を当然のことを、的な表情をしているが、子供がするような話では当然ない。死体慣れしている、殺し合いをしているらしいというあたりこの子は中々にやばーいやつなんじゃないかと思う


 すると突然


 「あれは私たちの仲間を7人殺した、知り合いじゃない能力者を含めると3倍はいく」


 だいたい20人以上殺している、そんな凶悪な奴を殺害したとは、記憶を失う前の自分に少しずつ興味を持ち始めてきた


 「ん?能力者?」


 さらっとファンタジックな単語が出てきた


 するとアマバは肩甲骨のあたりからバサッとさっきの翼を出す


 「そう、能力。この街の住人は結構持っている一人一つの能力、そしてこれが私の能力、『アイル』って名前を付けている」


 アマバはその翼で少し飛んでみたり、大きくしたり小さくしたり、羽を発射させて電信柱に深く差したりしていたおそらく自分の能力の便利さをアピールしたかったのだろう。


 「このような能力者がこの町で少しずつ増えているの、中には能力を使って人殺しを行う下衆も現れてね、その時に私たちは仲間を集めて自営団を作った、でもある時新たな勢力が現れたの。町の外から現れた能力者狩りの集団『プラチナスター』によってどちらの勢力の能力者もどんどん殺されていき、三つの勢力に分かれてこの町は今混沌を極めているの」


 なんて物騒な町なんだ、こんな町に住んでいたなんて驚きだ

 

 「ここが私たちのアジト」

 

 

 「ただいま~」


 やってきたのはふつ~の一軒家だった


 「お~アマバか、後ろの奴は誰だ?」


 女が一人出てきた


「こいつはブルー・シンフォニーを殺っていたやつだ、私たちの仲間にする」


 「え?ブルー・シンフォニーを殺した?どんな能力よ!」


 「まあ、落ち着け。それが記憶喪失らしくて自分の名前も能力も覚えてないらしいんだ」


 「だからトウマに見てもらおうと思ってさ」


 やがて2階から男が一人降りてくる


 「何の用だ、なるほど、記憶喪失か、理解した。ほい、『クリア・プロローグ』!!」

 

 自分の能力名を嬉しそうに叫ぶ


 するとドグサァと額にチューブのようなものを刺される


 「うわー!な、何を~!」


 「うーむ名前 クローバーデイズ え?これが名前

     能力 

     年齢 

     住所

     年齢

     両親                                   」


 「空白ばっかじゃん、どうなってるの?」


 「ボクのクリア・プロローグは意図して情報を隠せるようなものじゃあない。何かの拍子に記憶喪失になったとしても情報を読み取れる。この子の頭の中は空っぽなんだ、空っぽ。考えられることは誰かの能力で記憶をすっぽり抜き去られてしまったとかかな。会話は普通にできるのがその証拠だな。」


 「まあでも名前も能力も分かったし一歩前進したんじゃない、クロハ」


 また新しいやつが出てくるのかと思ったら僕のことだった


 「それにしてもクローバーデイズなんて変な名前ね、キラキラネームってやつ?親の顔が見てみたいわ。ということで君はこれからクロハって呼ぶから」


 名前がないよりは分かりやすくなった


 「先生は?いる?」


 「夜のお散歩中ね」

 

 「モモは?」


 「いるよ、呼んでくる?」


 「そうね」


 

 「アマバせんぱ~い、こんな夜中に何ですか?」


 2階から眠そうなショートヘアーの女子がやってくる。アマバのことを先輩と呼ぶあたりアマバより年下なのだろうがアマバより背が全然高い、というか足が長い。モデル体型?というやつなのだろうか。アマバたちの年齢の判断が逆に難しくなる


 「新入りだ、名前はクロハ。みんなに紹介とみんなの紹介をする」


 「え~、新入りですか~、今のやばい時期に新入りなんて~、怪しいじゃあないですか~、のこのことここに入れたのは誰ですか?」


 トーンが変わる、完全に僕に疑心暗鬼だ。目つきも変わって険しい顔で僕の顔を見る。怖い


 「私だ、クロハは私がスカウトした。一応トウマの能力で情報を読んだから大丈夫だ。でももしものことがあったら私が責任を取る」

 

 「なんだ、アマバ先輩のスカウトならいいや~、信用できます~。自己紹介ですね~、アタシは、モモです~アタシの能力は危ないから戦闘時はあたしのそばに近ずかないようにね~それだけ~」


 またゆるっとした眠そうなトーンに戻る、アマバを結構信頼してるようだ。しかしさっきと同じ顔で僕を1度睨みつけた。僕はどう反応すればいいかわからず、固まっていた。


 「ウチのモモがすまないな、モモは私たちの中で一番頭がよくて慎重な性格なゆえに疑り深いがちゃんと優しい子だ。すぐに分かり合えるさ」


 冷静に考えて僕はめちゃくちゃ怪しい人だ、逆にあの子しか警戒しないのもおかしい気がする。楽観的なのか?


 「次、セーラ、自己紹介」


 「私か」


 呼ばれたのは最初にいた女だ、長い髪を腰の方まで伸ばしていて、身長で高校生くらいだとわかる。


 「私はセーラ、アマバとは同い年で、私たちは高校生だったころからの仲良しだったんだ」


 「だった…?じゃあ皆大学生?大人…?」

 

 「いや、みんな高校生の年だよ。みんな高校辞めちゃったからね、途中で」


 「さっきも言ったでしょう、私たちは表向きには不良なの。町の平和を守るために学校に行く時間は必要ないからね」


 だからといって学校をやめる必要はないんじゃあないかと思うんだがなあ


 「トウマも自己紹介して」


 「トウマだ、高校生組では唯一の男だ。俺の能力はさっき見せたやつだけじゃあなく戦闘も一人でできる便利な能力だ、よろしく」


 「よし、全員自己紹介が終わったな。今日からクロハは私たちの仲間だ」


 そして皆自分の部屋に戻った。僕は自分の部屋がないので、ソファーで寝た



 

 翌日、目玉焼きののった食パンを食べてから、外に出た


 「よし、町を少し散歩してみよう。何か思い出すかもしれないし、誰かが君を知っているかもしれない」


 そういわれたので、散歩することになった


 「能力者が突然現れるかもしれない、自分のことは自分で守れるように自分の能力をよーく思い出すんだ」


 そういわれても僕に能力があるとは限らないのに…


 「この町、何か思い出せそう?」


 「いや、まったく。修学旅行で初めていった地でプラプラしてるみたいに右も左もわからないや」


 「修学旅行とか覚えてるの?」


 「いや、修学旅行というイベントはわかる。どんな気分になるのか、何をするのかも分かる。でも自分の修学旅行だけは全く覚えてないんだ、まるで漫画の中だけで見たキャンパスライフのように。」


 「なるほど、まあエピソード記憶だのなんだのって前に本で見たな。」


 「自分の中の記憶の中から、自分の関わったすべての記憶をなくした。そんな感じ」


 「なるほど、すると残るのは純粋な知識のみ。いい仮説だと思う」


 なんか真実に近づいた気もするが、記憶には近づけてない


 「やっぱり君のことを覚えている人を探してみよう」


 そうして歩いているとき地面を見るときれいな星形の石をみつけた


 「おお、きれいな石」


 すると黄金色の光が石に向かってきて


 手の甲を貫通した


 「うわああああああああああ」


 「どうした!」


 「手をやられた!星形の石が多分危険だ!」


 「能力者か、遠距離の!」


 アマバが周りをきょろきょろして足元を見た時、星形の石を踏んでしまった


 アマバの胸に黄金色の光がやってきた、恐ろしい速さ、予測可能回避不能。


 アマバの胸にぶっ刺さった


 「アマバあああああああああああ」


                                   


                                         つづく


 


 

 



 

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