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第*話:とある2人の会話
これで舞台に必要な役者は、ほぼ揃った。
「問題は、これをアノ設定にするかどうかっすね~……。どうしましょっか、來翔さん。」
「……このプロジェクトの核心を知っている音無、水谷、穂積、柚木、栢那、奏弥、桜羽、御稜威、氷下。そして、今回の鍵である高崎美謳と咲本美鈴――――以上の者には設定しろ。その他の者にはペナルティーのみだ。分かったな、罹堂。」
「はいはい、了解っす。」
さぁ、鍵である諸君。己の命を賭けてゲームをクリアせよ。
「制限時間はつけるんっすかー?」
「…いや、つけたらつまらなくなる。」
「了解っす。――最後に確認なんすけど、俺達もコレを掻き回すために行くんすか?」
「無論。シナリオ通りに進むゲームほど、つまらないものはない。」
そうだろう?と、來翔は微笑を浮かべながら罹堂に問う。
「それもそうっすね。……もう少しでメインイベントが始まるようっすから、そん時に行くんすか?」
「ああ。準備をしておけ。」
本来ならいない筈のイレギュラーな存在の2人。彼等は決められた物語を粉々に壊す為、介入する。未来を変える為に創られた世界へと。