2話_2人目の少年
「起きたんだ、調子はどう?」
可愛らしく、とてもゆとりのある声が聞こえた。
私はその可愛らしい声に対して瞬時に反応する、この速さは本人である私でさえも驚いた。
私はそれほどその可愛らしい声の持ち主の男の子に驚いたのだ。
「おお、早い反応だね」
感心したようにみえて私を小馬鹿にしている少年に頬を膨らませて見せた。
「悪いか」
私は陽気そうな少年を睨み付けた。
少年は意外にも私を睨み付けた、とてもあの可愛らしい声の持ち主とは思えなかった。
またまた沈黙。
どうやら私はこの者達とは気が合わないようだ、心でそう思いつつ、陽気そうな少年が話出したのに気が付きそちらに視線を向けた。
「別に悪くないけど。驚いただけ、ねぇそれより調子はどう?君になにかあると僕達が困るんだ」
・・・きっとそれは【嘘】だろう、別に根拠などがあるわけでもない、ただの私の感である、が私は少年が嘘をついているとしか思えなかった。なぜなら少年達の顔は仮面か付いているかのように瞬き一つない冷たい目で私を見下していた。私はお前にとって体調が崩れるだけでも困るっていう大切な相手にだぞ?そんな大切な相手によくそんな顔をして見下せるんだな。そんな者達が人一人死んだ程度じゃ、びくともしないだろう。私のことだってどうも思ってないし思わないだろう。
・・・いや、私が死ぬことで何か困ることがあるかもしれない、どんな振る舞いをしていようとも困る時は困る。
人なのだから。
私が決め付けることではない。
しかし、少年達のあの表情を見れば誰もが私と同じことを思ったに違いない、それほど彼等は冷ややかな目つきをしていた。
「ねぇ、調子はどう?どこか悪いところがあるの?」
我に返った。人の態度程度でここまで考え込む自分が恥ずかしくて仕様がなかった。
「頭が痛い」
私はそう呟いてみる。
「うわ。馬鹿になるよ、お気の毒に・・・・。どうしようね」
・・・なんだ、こいつは。頭痛程度で馬鹿になるものか?というよりも自分で私の体調をきいといて『どうしよう』はないだろう。
私が声を出す前に少年が言葉を付け足した。