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3ー1・四つの領域の絆

 ある時点で起きた大災害と呼ばれる悲劇(?)により、宇宙が水を失った時代。この唯一の宇宙(ユニバース)において、かつて辺境の1つとされていた宇宙領域〈ジオ〉。その〈ジオ〉の中のさらに辺境である、叡知の世界、銀河フィラメント"世界樹(せかいじゅ)"。

 その"世界樹"の地質学者であったザラは、失われた水と、それと関係していると思われる何か恐ろしい存在を研究していた。

 彼女に全てを託した亡き母の弟子エルクスを除けば、最初は孤独な秘密の研究だったが、彼女はやがて仲間も得ていった。

 水の失われた宇宙にあって、忘れている記憶の中に水の領域を映す少年ミーケと、短くも長い時間を彼と一緒に生きていた、強力な力を有する少女リーザは、その最初の仲間。

 それから、古き人エクエス、芸術家少女スブレット、永遠の少年ルカ、偉大なる宗教レトギアの修道士テレーゼと、さらに仲間は増えていき、その内に彼女らの研究は、バラバラの状態だった"世界樹"という世界そのものを結束させた。

 またその過程の中で、過去に失われたのだと思われるテクノロジーの産物、聖遺物(せいいぶつ)の1つである"ガラクタ(ぶね)"を、非常に実用的な特殊宇宙船、ミズガラクタ号として造りかえることにも成功。


 ザラたちは、唯一の宇宙(ユニバース)において、知的文明の始まりの頃からいた謎の存在ともされる神々と敵対していたという何か、あらゆる生命体の最悪の悪夢、《虚無(きょむ)(ある)(もの)》とも出会った。

 ザラたちは運がよかった。〈ジオ〉の生物は失われた水の代用品、緑液(りょくえき)の恩恵により大災害前より強くなっていたし、それにリーザが味方にいた。〈ジオ〉で最大の軍事力を誇る、3つのフィラメントを中心とした大国家《ヴァルキュス》が生んだ、この宇宙で最も規格外の化物少女。

 その戦いはすぐに終わった。《虚無を歩く者》の能力、有するテクノロジーについていくらか理解していたエクエスのサポートもあって、リーザは見事にソレのかりそめの姿|(?)を破壊することに成功した。


 それから1年ほどが経った……


 《虚無を歩く者》が、〈ジオ〉の宇宙にやってきた時の痕跡から、重要な手がかりがあるかもしれない別の宇宙領域へのゲートを発見したザラたち。

 一方で、政治体制の急速な変化の影響もあるのか、"世界樹"は、周辺フィラメント世界との戦争の危機にも直面していた。

 結局、ザラ、ミーケ、スブレット、ルカの4人がミズガラクタ号で未知の別宇宙領域の調査に向かうことに。リーザ、エクエス、テレーゼは"世界樹"防衛のために残ることになった。


 ザラたちが行き着いたのは、かつて、大災害よりも前の時代に〈ジオ〉を支配した伝説的な科学結社『フローデル』が、愚かな戦いを仕掛けた3つの宇宙領域の1つ〈ワートグゥ〉だった。

 だがその世界は大災害のために変わり果てていた。 エネルギーの均衡状態だけが広がっているだけの世界で、知的文明を感じさせるものなど消え失せていた。おそらく、ミズガラクタ号と同じく、 別の宇宙領域から来たのだろう謎の宇宙船と、《ルビリア》というジオ生物用の居住区のような惑星連続体を除いては。

 ザラたちは《ルビリア》で新たに出会った3人の仲間、恋愛感情のために生きた母メリシア、恋愛感情のために生まれた子エルミィ、それに赤い血の機械技士(メカニック)リセノラたちと共に、シミュレーション空間を利用した対話システムを用意し、謎の宇宙船の者たちとの会話を試みる。

 宇宙船の者たちは、3つの領域の1つであるが、〈ワートグゥ〉ほどに深刻な被害は受けなかった〈ネーデ〉の生物たちだった。さらに彼らが持っていた情報から、ミーケは自分が、この宇宙で最初の知的文明を築いたとされるアルヘン生物が造った存在だという事実を思い出す。


 一方、"世界樹"に仕掛けられた近隣フィラメント世界の攻撃を退けながら、リーザたちはその背後にありそうな陰謀の気配に気づき始める。

 "世界樹"周辺のフィラメントのいくつかをすでに支配していた謎の勢力の者たち。リーザたちは、彼らの武器としていいように使われていた特別な聖遺物を使う2人、フラッデとアイヤナを救う。さらには陰謀の黒幕が、とっくの昔に消えていたはずの科学結社『フローデル』だということも突き止める。

 『フローデル』の真の目的は〈ジオ〉の再びの支配、そのために最大の防衛のための国家でもある《ヴァルキュス》をも掌握すること。


 そして、〈ワートグゥ〉からさらに〈ネーデ〉へと来たザラたちは、そこで出会ったネーデ生物のケイシャが持っていた特殊な通信機で、〈ジオ〉の領域のリーザたちと連絡を取ることに成功する。

 ジオ生物は本当に愚かで、だけど彼らがどれだけ盲目であるとしても、その絆の芽は確かにずっとあった。ジオ生物のひどい過去の過ちも覚えていて、それでもネーデ生物は協力関係を結べることを喜んでくれた。

 また、"世界樹"だけではない。《虚無を歩く者》はまた現れ、 宇宙全体に恐ろしい運命が迫っているかもしれない、しかしかつてソレを一時的にでも消した文明も生物もおそらくもういない。こんな状況だから、まず間違いなく、今の4つの領域全体でも最高の戦力であろう軍事国家《ヴァルキュス》も、味方になってくれるはずだとリーザは告げた。

 ただ、問題は『フローデル』という存在。あまりにも長く〈ジオ〉の宇宙で暗躍していた彼らなら、《ヴァルキュス》にまで危険な影響を与えているかもしれない。

 だからリーザは、もう二度と戻らないかもとさえ考えていた、その故郷に帰ることを決めた。"世界樹"でできた、かけがえのない友人たちと一緒に。

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