用語いくつか
『惑星』
惑星は、組成も大きさも関係なく、同じ星系にある恒星の周囲を回ってるかどうかにも関係なく、惑星と呼ばれる。
恒星でない星が惑星。恒星の基準は一定時間でのエネルギー放出量、なのだが、そもそも全惑星の99%は惑星圏と呼ばれる一定範囲より外に、自動ではエネルギーを放出しないようなシステムになっているから、実質的に自動でエネルギーを放出する星が恒星と言ってもいいぐらい。
構造における重力の影響を用いた、星でない物質の基準もあるが、マイナーで知らない者が多い。 結局のところ、宇宙に存在しているどれが星で、どれが星でないかは、ほぼ個人ごとの主観。
『銀河フィラメント』
星の小集団が「星系」、星系の集団が「銀河」、銀河の集団が「銀河フィラメント」。
星系が、恒星を中心とした重力場で、その周囲を様々な天体が回っているというのは、"世界樹"においてはかなり古い世界観。恒星がない場合もあるし、ある場合でも、ほとんどエネルギー貯蔵庫みたいに使われている。
たいていの星系は、ずっと昔に太陽系と呼ばれていた領域に比べると小さい。たいていの銀河は、昔にアマノガワと呼ばれていた銀河より小さい。たいていの銀河フィラメントは、昔にラニアケア超銀河団と呼ばれていた銀河集団よりかなり小さい。
『宇宙領域』
あくまでも、それぞれ、全体の大宇宙の領域であるが、 物理情報的にはほぼ完全に分かれているから、それぞれ実質的に別宇宙。分かれていても、いくらか繋がれる物理要素がある(だから行き来する方法もある)。重要な問題とされていることとして、そもそも各領域がどのように全体の宇宙に含まれているのかという謎がある。
〈ジオ〉という宇宙領域は、かつて「観測可能な宇宙」と呼ばれていたものではない。むしろ概念的には「インフレーション泡宇宙」とか呼ばれていた宇宙に近い。
現在はおそらく全体として膨張しているわけでもないし、収縮しているわけでもない。大きさ自体には(観測可能な宇宙なんて言葉があった時代から)変化がない説もある。
『世界樹』
元は科学組織「世界樹」として始まったとされる銀河フィラメント。現在の〈ジオ〉において、「学者たちの楽園」と言われることもあるほど、科学研究のためだけに、あらゆるものがある。
元の組織からずっと繋がってきている世界樹科学委員会に多くの者が所属している。
政治的には国家連合というような形だが、実は研究資源などを巡り、国家間同士の争いは多い。どこでもたいてい宗教が盛ん。
国家に属していない無法地帯もまあまああるが、人口密度的には大した問題とされていない。
『ヴァルキュス』
"空の欠片"、"星屑海"、"永遠冬"という3つの銀河フィラメントの繋がりを中心とした、軍事国家。
3フィラメントは、ほぼすべて、現在のジオ生物にとっての生存可能領域であるが、構成粒子をコントロールする術を持たない者にとっては、苦しいだろうところも多い。
文化的に各個人が肉体的接触をすることはあまりない。たいてい夜に会うのは親しい者だけ。同じ一族、親友、恋人など。
多くの者は、姓名を共有する、一族という集団に属している。
恋人同士もあまり接触をしないのが普通。しかしサイバー空間を利用した付き合いがいろいろある。結婚はどちらかがどちらかの一族に入るということ。
『聖遺物』
製造方法がわかっていない、過去の道具、機械の総称。
実はたいていは大して役に立たない。ただしガラクタ船がそうだったように「何か役に立つかもしれないのだが、どう扱えばいいのかがわからない」というようなものは少ない。ほとんど「役に立たないことがわかっている」ものばかり
『心層空間』
生物の心の機構の原因とされている要素。
心層空間は生物に必須要素とされ、それと関わりのないものは、他にどのような要素があるにせよ、無生物と定義される。
生物の物理的構成の方が、心層空間に影響を与えることもある。結果的に生物は、物質的な理由による心の性質が違いが大きくなることもある。
どんな生物にとっても、物質部分は(上手くやれば)いくらでも替えがきく。つまり、心層空間とのリンクを残したまま構成粒子を入れ換えることで、実質的に永久に生きられる。
『基底物質』
物質の最も基本的な要素と考えられている。これは普通、実体的な 何かではなく、物質がどのように機能するかのルールのようなものとされる。
心層空間との直接的な関連があるか、よく議論される。
実体的にとらえられる最小要素として「素粒子」があるが、物理系の素粒子構成を決定付けるのは基底物質。そういう関係。
『スフィア粒子』
ロボット素粒子と言えるようなもの。基本的には単体で機能するのだが、これは構成要素としている心層空間と連動している構造(ようするに知的生物)が、意識的にコントロールすることもできる。
普通は素粒子に機械的システムを与えることはできないが、これは宇宙の機構そのものを利用して、その普通でない性質を実現していると考えられている。
『緑液』
分子スケール以上では基本的に水と同じように機能するスフィア粒子を基盤とした物質。その様々な特性により、ジオ生物を大きく強化した。
『ジオ時間』
便宜上、使われやすい時間概念。
ミニジオという球体の玩具の回転周期を基準にしてる時間。実際的には、ミニジオより周期データが普及している。ジオ時間は"世界樹"においては、あらゆる共有データスペースでいつでも確認可能。
惑星における時間感覚は、人が住んでる場合、恒星との位置関係や自転周期も関係してないことが多い。国家に属する惑星の場合は国家の偉い方々が、国家外惑星でもたいてい知識人の住人たちが、自分たちの好みの1日周期を作ってたりする(ただ、大きなこだわりがないなら普通にジオ時間と合わせやすいようにしている。他の国家とかがたいていそうだから、便利)