二十四話 模試本番
最近、体調悪くて集中して書けないので、毎回短めになって申し訳ない……。
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日曜日をほぼ全て勉強に費やしたのなんか、たかだか17年生きてきたなかでもなかった。ないと思っていたし、あったらあったで、それはそれは天変地異でも起こりかねないくらいには、驚くべき話だ。
都内にいた頃は、期末テストなんて下から数えた方が早いわけで、模試なんていつもより家に早く帰れるイベント程度の認識しかなかった。
さてはて、そんなわけで月曜日。全国模試当日。あるいは平日のど頭。週の幕開け。
安定しているというか、普遍的というか、相変わらず俺のダメ妹ちゃんは、布団の中でヌクヌクとしていた。
この妹大好きフリスビーな兄の、一世一代の大勝負を前にしてこの妹は、
「いやー平日の始まりとかクソだよねクソクソ。クソの上塗りだねー。ということでアーちゃんは絶対に起きないから。二度寝するから。お兄ちゃんは適当に、模試でもなんでも頑張ってらっしゃ〜い」
などとのたまいやがった。
とりあえず、そんなダメ妹を踏みつけて、足蹴にしてやった。
「いいから起きろよ! 今日は全国模試で、郁乃は朝飯作ってくれないんだから! ほら、飯が冷めるだろ?」
スッと、布団から首を出した朱音は、テーブルの上に転がる焦げたなにかを見て、再びスッと布団の中へ戻った。
「おい戻るな。なにも言わずに戻るな。無言で戻るな」
「なにか言って欲しいのかよぅ……」
「一応……無言よりかは」
「暗黒物質からは成長したんじゃない? コロッケの原型は残ってるし」
「上から目線だなこの野郎……あとこれ、コロッケじゃないんだかどな……?」
「コロッケじゃないならその黒い塊はなに!?」
今度は、バッと朱音は布団から飛び起きた。
「……暗黒物質かもしれない」
「かもじゃなくて暗黒物質なんだよどう見てもよく見てから物を言えよ本当にダメお兄ちゃんだなぁ!」
「貴様この野郎! せっかくご飯作ってあげたのに!」
「恩着せがましい!」
ボコスカ、ボコスカ。
今日も小藤家は、平常運転です。
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模試は、国語、数学、英語の三科目となる。
さて、1限の国語は漢字から始まり、現代文、古文、漢文と難問が続いたわけだが……俺を甘く見るなよ?
まずは、敵の先鋒である漢字が俺に向かって攻撃を仕掛けてくる。俺は漢字の攻撃を全て掻い潜り、1問、また1問と撃破する。
ぬるいぬるい……ぬるすぎるわ!
スラスラと出題された問題を解き、現代文、古文と片付ける。最終的に漢文を八つ裂きにした頃には、残り時間30分を余し、俺は問題を解き終えていた。
意外と勉強した成果が出ているようだ。こんなに問題がスラスラ解けたのは、小学生以来だ。
暇だったので、その後は見直しをしっかりする。
俺は詰めの甘い男ではない。
名前を書き忘れたり、解答が1つずつズレっちゃったーみたいな失敗はしない。
そうして、数学と英語も片付けて、全国模試はひとまず終わった。
※
「模試の手応えはどうでしたか?」
夜。
夕食を食べ終え、洋室で朱音とゲームをしていた俺に、郁乃がテーブルにお茶を置きながら尋ねてきた。
「そうだなー手応えはあったけど、実際は自分が思ってるよりも、点数が低いことってあるよな……」
「あるあるだね! アーちゃんも音ゲーで、これは最高得点キタコレ〜って思ったけど、実際は大したことなかったみたいなこと、たくさんあったし!」
音ゲーの話と一緒にされるのは、なんだか無性に腹立たしいわけだが、俺はぐっと堪えた。
「あ……そういえば、平田さんから伝言がありまして」
「ん? なんだ?」
「ほら、明後日に球技大会がありますよね?」
「初耳なんですけど……」
「え? しかし、クラスのグループラインで……あ」
郁乃は察したのか、気まずげに俺から目を逸らした。
おい、気を遣うな。なんか気まずくなっちゃうだろ……俺が可哀想に見えちゃうだろ!
さて、俺がナチュラルにクラスからハブられていることを再認識したところで本題に入る。
「それで? その球技大会がどうした?」
「平田さんが、『これもイメージアップのために活用しない手はないわ!』と言ってました。私もそう思いますし、明日行われる代表決めで立候補してみては?」
「立候補ね……まあ、それは別にいいんだけど。ちなみに、種目は……?」
「バスケです」
と、郁乃は至極真面目な顔でそう即答した。
俺は目を瞬き、天井をぼんやりと眺める。
朱音はなにも言わないが、ゲームしている手を止めて、俺を心配そうに見ていた。
「バスケねぇ……」
俺の右手は、無意識に左肩を撫でた。
幼馴染美少女のお粥が食べたい。
どうも幼馴染マイスターの青春詭弁です。
巷では、ロングストレート女子が人気ですが、私は最近ボブが好きです。なにかあれば、とりあえずヒロインをボブにするか、クセ毛にしたくなります。
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風邪も治るかもしれません(゜∀。)アヒャヒャ