↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/35

二十三話 全国模試

※



 メデューサ頭を隠すためか、頭に三角巾を身につけ、白いエプロン姿で我が家のキッチンに立つ郁乃を見ていると……新妻というか、家政婦に見えてきた。


 料理を覗き込むと、どうやらカレーを作っているらしい。グツグツと鍋の中が、カレー色になっていた。


 俺は朱音と洋室でまったりしながら、先ほどの写真について話していた。


「で、なんか思い出せたか?」


「うーん……」


 と、朱音はチラッとキッチンに立つ郁乃に目を向ける。


「どうした?」


「いや……うーん……? なんか似てるなあと……」


「ぎゃっ」


 なぜか郁乃がお皿を落として割ってしまった。


「ご、ごごごめんなさい!」


「別にいいよ。俺が片付けておくから……怪我はなかったか?」


「は、入って……すみません……」


 郁乃はシュンとしたようすで、俺に頭を下げた。

 皿の破片を集め終えた俺は再び、洋室でくつろぐ。


「それでアーちゃんや。どこら辺が似てるんだ?」


「髪……?」


「まあ……たしかに……」


 朱音の言う通り、写真のワカメちゃんと、先ほど見た郁乃のメデューサちゃんは類似している。



 ワカメちゃんの髪がそのまま伸びたら、ちょうど郁乃みたいなメデューサに成長するかもしれない。しかし、あまりにも顔の骨格が変わりすぎだろう。


 さすがに、ワカメちゃんと郁乃は似てないというのが、俺の率直な意見だった。


 しかし、朱音は俺と異なる意見を持っているみたいだった。


「多分、このワカメちゃん……痩せたらけっこういい感じだと思うんだよね……」


「ソースは?」


「女の勘ってやつだねぇ」


 朱音はキリッとした顔で言った。

 女以前に、人として問題のある朱音の勘などあてになるまい。

 俺はそっと朱音の戯言を聞き流すことにした。


 それが気に食わなかったみたいで、朱音はムッとした表情で、俺に突っかかってきた。


「お兄ちゃん! アーちゃんが真剣に考えてやってるのに! なんだその反応!」


「女の勘って言われてもなぁ……ぷっ」


「今笑ったな!? アーちゃんだって、女なんだからな!? そういえば、お兄ちゃんさっきアーちゃんの裸見たよね!? 許さない!」


「今更だなぁ……兄妹なんだからいいだろ裸くらい。不可抗力だし」


「故意的だったよね!? この変態! ムッツリ! スケベ! アーちゃんのたわわに実った胸を舐め回すように見て、それを今夜のオカズにするつもりでしょ!」


「妹に欲情するわけねぇだろ……」


「お兄ちゃん酷い!」


 俺にどうしろと。


「まあ、たしかに。乙女の肌を見たのですし、謝罪はすべきですよね」


 と、郁乃からの援護射撃により朱音が調子に乗り始める。


「ほーら見たか! 謝って! 妹の肌を見て欲情してすみませんって! 謝って!」


「欲情してねぇっつってんだろ! 図体と態度ばっかりデカいダメ妹が! 場所取るばっかりの粗大ゴミの方が、リサイクルできるだけマシだぞ!」


「わー! お兄ちゃん酷い!」


 ボコスカ、ボコスカ。

 まあ、当然のことながらいつも通りの、低俗な殴り合いが始まった。


 今回の結果も、言わずもがな引き分け。

 朱音は、「ぜぇぜぇ」と死にそうな呼吸をしている。


「大丈夫か、アーちゃん」


「こ、今回も引き分けだね……ぜぇぜぇ」


「おうそうだな」


「喧嘩は終わりましたか? ご飯できましたけど、食べますか?」


「「いただきます!」」


 俺と朱音は同時にそう叫んだ。

 ちなみに、カレーは俺と朱音好みの甘口カレーだった。


 この女……ツボを抑えてやがる……。


 カレーはすぐに完食してしまい、俺と朱音のおかわり合戦の末に、鍋にあったカレーは綺麗になくなった。


 食後、傍でゲームをしている朱音を他所に、俺は勉強を始めた。洗い物を終えた郁乃は洋室の方まで来ると、俺がテーブルに広げたノートを覗き見た。


「……思ったよりもちゃんと勉強しているのですね」


「お前は俺をバカだと思ってたのか?」


「お兄ちゃん前の学校の定期テストは、下から数えた方が早いくらいの順位だったよ」


「アーちゃんシャラップ」


「そうなのですか……それにしては、ノートのまとめ方も綺麗ですし……」


「お兄ちゃん要領だけはいいんですよね〜」


「アーちゃんお口縫っちゃうぞー?」


 いい加減にしろと、俺が立ち上がると、朱音は「きゃー」と態とらしい悲鳴を上げて、郁乃の背に隠れてしまった。


 その郁乃は、俺のノートを興味深そうにジッと見ていた。


「なあ、恥ずかしいからあんまり見ないでもらえるか?」


「あ……すみません。意外と勉強ができていることに驚いて……」


「貴様この野郎!」


 意外と、とか思いの外、とか普通言うだろうか。どんだけバカだと思われていたのだろう。


 そりゃあ、得意か不得意かで問われると……まあ不得意だけど。だが、こっちは朱音を養うために、必死に勉強をしているのだ。


 ふっ……こいつらめ。

 今に見てろよ……全国模試の結果で目にものを見せてやる!


 俺はこいつらを見返してやるため、来たる月曜日の全国模試に向けて猛勉強を始めるのだった。


風邪が治りません。

どうも風邪マイスターの青春詭弁です。


どうしたんだろう……もう歳かな……風邪が長引く年齢になったのかもしれません。


さて、時に幼馴染の種類はさまざまで、タイプも性格も他のヒロインと同様に無限大の組み合わせが存在します。


幼馴染は単なるそのキャラクターの属性ですからね。なにか一つのタイプに、縛るようなものでもありません。


そんな中で、特に私が好きな幼馴染は……ツンデレです。ツンデレ幼馴染は、近頃負けヒロインとして格下げされ、絶滅の一途を辿っています。


なぜかというと、どこかを境に「ツンデレ=暴力的・勝手に不機嫌になる」みたいな図式が出来上がったんですね。


その理由の一つとして、主人公キャラの格上げです。昔の主人公といえば、「いじめられっこで〜」みたいなのが割と多く、キャラクターとしては半人前で、非常に人間味溢れる存在でした。


しかし、今の主人公は読者の憧れを背負う形となり、主人公最強だったりとかが増えてきましたね?


すると、今まで主人公のデリカシーのなさとかが理由で、ツンデレがツンツンしていたシーンが形骸化し、今では、「なんかよくわからんけど怒ってる」みたいな感じになったわけです。


つまり、主人公がかっこよくなりすぎたのが、ツンデレ幼馴染が負けヒロインになってきた理由です。それに引きずられる形で、幼馴染=負けヒロインが成り立ったわけですね。


ええ。そうですね。はい。


全部私の持論です。(*≧∀≦*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。