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『餓死寸前の最弱アバターからのサバイバル料理 ~現実世界での完全栄養食に絶望したので、VRゲームで失われた「本物の味」を再現して夢の食堂を開きます!~』  作者: ゆっきー
第2章:「最強の護衛と、夢の食堂の予定地」

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第15話:「食後のハーブティーと、最強すぎる土木作業員たち」

「あの、お肉のお礼になるかはわからないんですけど……私が集めていた薬草で、お茶を淹れてもいいですか?」


 ミレがリュックから、乾燥させた数種類の葉を取り出しながら遠慮がちに尋ねた。


 「お茶? うん、お願い! 脂っこいお肉の後に温かいお茶があったら最高だもん」


 レナが即答すると、ミレはホッとしたように微笑み、石窯の余熱を利用して鍋でお湯を沸かし始めた。

 複数の薬草を絶妙な分量でブレンドしていく。採集職(あるいは錬金術師の卵)としての彼女の初期スキルが、ここで活かされているようだ。


 数分後、切り株のテーブルに温かい湯気を立てる木彫りのカップが四つ並べられた。


 「いただきます」


 レナが一口すすると、爽やかな香りが鼻腔を抜け、胃の中に溜まっていた重い脂がすっきりと洗い流されていくような感覚に包まれた。


 【アイテム名:『ミレの特製ブレンドハーブティー』】

【効果:満腹度の減少速度低下(小)。状態:『リラックス』を付与】


 「んんっ、美味しい! ミレ、すごいよこれ。お肉料理の食後にぴったりの味!」


 「よ、よかったです……!」


 レナの素直な感想に、ミレは顔を真っ赤にして喜んだ。


 エドも無言でカップを空にし、セリアに至っては

「むぅ、ただの草の汁だと思っていたが、悪くないな! おかわりだ!」と空のカップを突き出している。幻獣のパピーも、自分用の浅い皿に入ったぬるめのお茶をペロペロと舐めていた。


 「さて。お腹もいっぱいになったし、お茶も美味しかったけど……問題は今夜寝る場所だよね」


 レナは石窯だけが鎮座する、だだっ広い更地を見渡してため息をついた。

 いくらVR世界とはいえ、夜の森は冷える。天候が崩れれば、環境ダメージで初期レベルのレナやミレはあっという間にHPを削られてしまうだろう。


 「エド、セリア。二人とも体力もMPも全回復してるよね?」


 レナの視線が、くつろいでいたトッププレイヤー二人に向けられた。


 「……嫌な予感がするんだが」


 「当然だろうエド。我々はこの少女の騎士として、安全な天幕を張る義務が――」


 「天幕なんてショボいものじゃダメ。ちゃんとした屋根と壁がある『ログハウス風の食堂』を作るの」


 レナは地面に木の枝で、またしても緻密な建築予定図を描き始めた。


 「というわけで、エドはあっちの森で良質な木材の伐採と加工。セリアは基礎に使う石材の切り出しをお願い。あ、ついでに今日の夕飯用の新しいお肉も狩ってきてね。お肉がないと、明日のご飯は水だけになるから」


 「なんだと!? 私を石工や狩人のようにこき使う気か!」


 「嫌ならいいよ? 美味しいご飯、もう作らないだけだから」


 「……っ!! 卑怯だぞ!!」


 「エドも、行ってくれるよね?」


 レナが首を傾げると、最強の死神は深々とため息をつき、無言で立ち上がって大剣を肩に担いだ。


 「おいセリア。ノルマの半分の資材と獲物を集められなかった方は、夕飯の肉を一切れ没収だ」


 「なっ、なんだとエド貴様ッ! この私に勝てると思っているのか! 森の木材もモンスターも、すべて私が根こそぎ刈り取ってくれるわ!!」


 セリアが猛然と森の奥へとダッシュし、エドが舌打ちをしながらその後を追う。


 直後、森のあちこちから「ズドォォン!」「ギャアアアッ!」という、環境破壊とモンスターの断末魔が入り混じった凄まじい轟音が響き渡り始めた。


 「あ、あはは……すごいですね、お二人とも」


 「うん。あれならすぐにお店も建つし、食材にも困らないね」


 レナは二杯目のハーブティーを楽しみながら、ミレと幻獣と共に、最強の土木作業員たちの働きぶりをのんびりと見守るのだった。

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