嵐の前
牡丹は玄関を勢いよく開けた。
「 何か用ですか!? 」
イラついた声で、牡丹が言うとピンク髪の女の子が、
「 あれ〜?また女の子・・・あっ!黒川くん! 」
牡丹の後ろの良太に気づいて嬉しそうな声を上げた。
「 良太の知り合いだったの? 」
牡丹は怪しむような顔をして、良太と女の子を交互に見た。
「 こんなピンク髪のハッピーな人。知らないよ。 」
「 冗談キツいんだから〜高校で同じクラスだったでしょ〜! 」
女の子がそう言うと牡丹が、
「 良太、何か隠してる? 」
( 牡丹の顔、怖い・・・バカな事言う前に早く説明しないと・・・ )
「 あっ、私。桃海桜です!黒川くんとは、高校時代すっごく仲良くしてました! 」
・桃海桜
・良太の高校時のクラスメイト
・町長の一人娘でピンク髪の変わった子
・高校時代に良太はあらゆる迷惑をかけられた
( やりやがった・・・ )
良太が肩を落としていると、牡丹が勝ち誇ったように、
「 アタシは明石牡丹。良太の妻です〜! 」
「 お、お嫁さん!黒川くん結婚したの!? 」
桜は驚いて仰け反った。
高校時代から、こんな風にリアクションを取る桜に、良太はいつも困らされていた。
モテない同士仲良くなろ!と意味がわからない括りにされて、相談事や愚痴など。
町長の娘としての話が多かったので、心底疲れる人。と認識していた。
「 でも、もう1人女の子が居たけど、黒川くんはどんな生活してるの? 」
桜は牡丹を見ながら言うと、
「 ここはね、花畑荘ってシェアハウスしてるの! 」
牡丹が元気に言った。
( こいつにそんな事言ったら後が・・・ )
「 シェアハウス・・・黒川くん。モテたんだ・・・ 」
桜は虚ろな目で良太を見ると、無言で去っていった。
良太は家に入って、食卓に3人を座らせた。
桜の人となりを説明して良太は、頭を下げた。
「 多分あいつは、無理やり理由をつけて、花畑荘を潰す気だ。あの様子じゃ、今でもモテないんだろうから、俺に嫉妬して、何かしでかすに違いない。 」
高校時代に、良太がラブレターを貰った事があって、桜がその事を知ると、相手の女の子のクラスに乗り込んで行って、その場でラブレターを音読した前例があった。
女の子が最低2人居るシェアハウスとなれば、桜が花畑荘を目の敵にすると、良太は予想していた。
「 次に来たら、アタシが文句言ってやる!花畑荘を潰されたら、アタシ達が困るんやもん! 」
牡丹が言うと、金蘭と向日葵も鼻息を荒くして
頷いた。
事件起こしました(笑)
次話は、明日です。
ここからはイメージ、構想は無いです。
0から考えるので、時間がかかりますが、更新し続けます!
次話もお楽しみください┏●




