諭吉様のおなーりー
みんなで青山寿司を食べながら、これからの事を話していた。
「 まず、家賃は取りたくないんだけど、3人はどう思う? 」
「 アタシは良太と住めるならどっちでもいいよー! 」
「 私はちゃんと払いたいな。親しき仲にも礼儀あり。だな。 」
「 ひまもどっちでもいいです!おねぇ様が払うなら、もちろん払います! 」
向日葵は別として、多数決で決めようと思っていた良太は頭を抱えた。
家賃を払うには、働いて稼がないといけない。
金蘭は図書館の受付で働いているが・・・
牡丹と向日葵はまだだ。専門学生の向日葵は勉強が忙しく、両親にも働くことを許されていない。牡丹は「 アタシは良太に永久就職! 」と、言う始末。
「 とりあえず!私は払うから、いくら? 」
金蘭はそう言うと財布を取り出して聞いた。
「 いきなり決めようにも・・・ 」
「 食料をみんなで買いに行って、割り勘するとして。2万円・・・いや、1万5千円でどうだー!」
良太が悩んでいると、横から牡丹が決めた。
こんな時、思い切りがいい牡丹を良太は素直に
尊敬していた。金蘭は「 じゃあ、とりあえず 3万円 」と、財布から諭吉様を3枚取り出して良太に渡した。
「 なんで3万なんだ? 」
「 向日葵の分よ。これでいつでも花畑荘に出入り出来るでしょ。 」
良太は納得して諭吉様を受け取り、自分の部屋へと向かった。
「 おねぇ様・・・嬉しいです!! 」
向日葵は金蘭に抱きつき頭を撫でられている。
牡丹は少しだけムッとして、良太のあとを追って行った。
「 えーと・・・あった。 」
良太は祖母が遺した物の中にある、桜色の箱に
諭吉様3枚を大事に入れた。
「 良太、その箱は? 」
牡丹が部屋のドアから覗きながら言った。
「 俺のばぁちゃんが遺してくれた家賃入れだよ。ばぁちゃんはここに家賃を入れて保管してたって書いてあったよ。 」
良太の祖母が遺した段ボールの中には、玄関に掛けてある看板。花畑荘の見取り図と権利書。
そして、便箋1枚分の手紙等が入っていた。その手紙には、当時の花畑荘の事が書いてあって、桜色の箱の事も書いてあった。
「 綺麗な箱やね。アタシも入れた方がい 」
牡丹が言い終わる前に良太は人差し指を、唇に当てて遮った。
「 牡丹が払いたくて我慢できなくなったらでいいよ。他人が払うから意見を変えるなんて、牡丹らしくないよ。 」
良太は笑いながら言うと、牡丹は頷いて、
「 アタシ、ビシビシ働くから覚悟しててね! 家賃なんか1年分いっきに払うもんね! 」
牡丹はそう意気込んで、良太に抱きついた。
今日もこの時間です。
次話もお楽しみください┏●




