戦争
また戦争が始まった。御館様は貴族位を持っているため、戦争への参加は義務となる。私兵も持ってはいるが多くは無い、理由は慈善事業の様な人間への投資や新しい世界を築いていく為の未来への投資を行っているからだ。
御館様が戦争に行くのなら俺たちも行きたいと申し出たが断られた。傭兵を雇うと説明され、残って事業を運営する事を厳命された。
何処と何処が戦争しているのかもよく分からないが日々の業務を一生懸命、頑張っていると訃報が届く、御館様が戦死した。
そこから、戦争終結までただ無心で業務を続けていたが、工場を含む大規模農場は国に接収される事になり、ここに残って働くか出ていくのかを迫られた。
少ない支度金とここで稼がせて貰ったお金を持って、行く当てもない旅をする事を決め、よく分からないが仲が良かったディーフが故郷に帰ると言うからなんとなく同じ船に乗った。
船では暇になるほど何も無いので、釣りをしてみる。かつての知識を使って釣り始めるが、入れ食い状態だった。これは俺の知識や技術がすごいのではなく、自然が豊かなだけだろう。ただ、熱心に細かいところまで聞いてくる人がいて困った。
釣りなんてこの文明レベルの人にとっては遊びに過ぎない、物珍しさはあったと思うが一人だけ例外はいたが、釣れた魚を捌いて干して海水につけて干して保存食にする。
干物にすれば保存がきくので自分で食べても良いし、売っても良いと思い次の日の昼に船員さんの許可を貰ってからキッチンで焼き始める料理の邪魔にならない様に手短に済ませ、甲板で食べてみるととても美味しかった。たまたま干物にあう魚で良かった。たった半日干しただけでここまで美味いなら昨日に引き続き干し直した物はもっと美味いかもしれない。
できれば魚を干す網などあったらいいのだけど、そんな事を考えていると干物を食べたいと言ってくる人がいたので少しづつあげたら皆美味しいと言っていたので自分達で作ってみる事を進めた。
あちらにつくまでに大量の干物ができたのでお世話になった船員さんにも挙げることにした。彼らもあちらに着けば多少の休みを貰えるだろうし、その時に売って酒代の足しにして貰えれば良いと思った。
新天地「ガバナ諸島連合」にやって来た。今さらだがこの世界にはモンスターがいない為、過剰な腕っぷしやモンスターの知識や技が活かせない。モンスターがいなくても勇者特権があれば多少の助けになったと思うが無いものを考えても仕方がない。
腕っぷしはあるから傭兵にでもなれるかもしれないが人を殺しを仕事にしたくない。御館様の教えに反しているからだ。
ディーフの故郷に一緒に着いていくことを許してもらい、その村で暮らそうと安易に考える、数日で着いたそこはチップ村、川の中流域にある農耕を中心とした村で村長に挨拶をして村から離れた海側に住むことを許可してもらい。
ディーフが村の案内や村人に紹介もしてくれて、ディーフの家族も村のルール何かを教えて貰った。
翌日から適当な木を繋ぎ合わせ、その上にマント代りにしていた布を被せて屋根とした。寝床は簡易的に終わらせて海で釣りをする。海までは走れば10分で着くので適当な場所で釣りをする。できれば網でもあれば船でもあれば効率が上がると思うがまずは食える分と多く釣れたら作物と交換して貰えるとありがたい。
そこら辺にあった貝を餌に釣り糸を垂らす。数匹ほど釣れたので干物にし、干している間に漁小屋を作りたい。
クラフト機能が無いと不便だろうが将来的にも必要だろうと斧と小型のノコギリしかないので時間は掛かるだろうが時間はあるし体力が有り余ってるので地道に作り始めた。
村に来て半年、ディーフを中心に魚の干物を野菜などに交換して貰って何とか生きている。やっと漁小屋が出来たので、塩作りに挑戦する。これは燻製を作って魚の干物をもっと商品としての価値をあげる為だ。
体力があるので薪を大量に準備して、鍋に海水を溜め、水分を蒸発させ、多少水分が飛んだところで植物で作ったろ過フィルター代わりで結晶と水分を分ける。残った結晶が塩では無い。
ろ過した液体を更に加熱して水分を蒸発ささせていく、程よいところでまたフィルターで濾して上に残ったの結晶を天日干しして乾燥させたものが塩だ。正直、塩の作り方が腑に落ちないがもうそういう物何だと思うことにした。
ちなみに最後に濾して出た液体がにがりと言う豆腐を作る時の材料らしい。
できるだけ不純物を取り除いて丁寧に作った塩を使って燻製作りを始める。各工程であった待ち時間で魚は釣れており、内臓と頭を落として開いている。燻製に欠かせないソミュール液を作る上で、砂糖が手に入らないのでメープルシロップで代用した。
艶のある燻製が出来たので、村長とディーフ家にお裾分けして、行商人が来たら売りたいと伝える。そろそろ本格的な冬が始まるため、家の方をしっかりしたものを作らないと凍死するかもしれない。
家の中に粘土を使って竈を作り外壁を木で覆い、隙間に苔を詰めていく。ただのテントだった頃に比べればマシにはなったが、もう少し何とかすべきと考えたが良いアイデアが思い浮かばなかったのでディーフに相談した。
手土産にメープルシロップを持参すると大変喜ばれたがかなり驚かれた。甘味が珍しい文明レベルって言うのを忘れていたが大丈夫だろう。




