一話
ううん、頭が割れそう。痛い痛い。あれ、さっきは暖かかったのに、今は結構涼しい。場所が変わってるのかな。生暖かいような、冷たいような、変な温度の風が吹く。少しだけ心地が悪くなって、うっすらと目を開ける。と、そこには先ほどのかぼちゃ頭の人?がいた。もう驚きすぎで声も出ない。
「~~!?」
「こら、男爵。女の子を驚かせないで下さいよ」
すっかり硬直していると、そんな声が聞こえた。へぇ、かぼちゃ頭の人?は男爵なのか。それと、かぼちゃ頭さん(と、呼ぶことにする)とこの場にはもう一人、違う人がいるのか。何だか、優しそうな声だ。かぼちゃ頭さんは落ち着いていて低い声だけれども、この人は柔らかくて温かい声をしているような気がする。聞くだけで安心するような声。こんな風に書くと女の人と間違われそうだが、声からして、多分男の人だろう。悶々と色々なことを考えていると、ははは、と軽い笑い声がする。
「ははっ、悪いな。幽太の小僧。人間の小娘なぞ見たのは久しいからな」
「全くもう…だからといって、気絶するまで怖がらせるなんて」
ん?違う。それは違う。確かに気絶したけれども、それはかぼちゃ頭さんの所為ではない。それどころか、私が勝手に気絶しただけなのだ。言い出そうか、言い出さまいか。そんなにくだらない事で悩んでいると、また別の声が聞こえる。次は、女の子の声だ。
「そうですよ、幽師匠。男爵は、この娘に何もしておりません」
「そ、そうです!何もされてませんから…大丈夫です!」
便乗するのもどうかと思ったが、言わないよりはましだと思い、一応言ってみる。すると、幽師匠?と呼ばれた人物は目をぱちくりとさせた。




