タイフウノメルザンティス
昨年までの情報だと、トルネード皇帝は、ウェザース歴1998年の12月に謎の死を遂げている。その死は多くのSST帝国の国民を悲しませ、主要三大国の首脳も、確かに葬儀に参列している事は、記憶に新しい。だが多くの人から信頼されていた男の死は謎に包まれた。3人を除いては…。
トルネード皇帝は、病死でもなく事故でも自殺でもなかった。では何だったのか?それは、SST帝国軍団長ホワイトジュエル・ガムノイアー大将が先代にあたる皇帝を暗殺したからであった。ストーム・スノー・エクサム第二軍団司令官に工作させ、上手いこと病死に見せかけた。だが二人とも新トルネード皇帝にはなっていない。そう、何を隠そう新トルネード皇帝になっていた男こそ、元トルネード皇帝暗殺計画の首謀者タイフウノメルザンティスであった。奇しくも元トルネード皇帝タイフウノオルトコロン(死亡)の次男坊であった。それもそのはず、トルネード帝国トップクラスの司令官を好きなように扱う事が出来るのであるから。
とにかく、クーデター計画を成功させたタイフウノメルザンティスは、長男で実の兄である、タイフウノハッセイシャルーン皇太子も暗殺しようと試みたが、逃げられる。その側近二人に守られながら。ハッセイシャルーン皇太子を逃がしてしまったのは、不覚だがウェザース歴1998年12月15日、第39代SST帝国皇帝に就任した。SST帝国国民は新たな皇帝タイフウノメルザンティスに期待した。
しかし、その期待は水泡に帰す。クーデターで政権を掌握したタイフウノメルザンティスは、血も涙もない極悪な支配者と成っていく。彼が独裁者に成るのは時間の問題であった。
余談が長くなったが、新SST帝国皇帝タイフウノメルザンティス(以後トルネード皇帝と呼ぶ)は、ポリティクス・ベクトル・ディベートの他これまでSST帝国が入っていた全ての政治的枠組みから脱退してきた。そして、一方的に三大国に対して戦線を布告してきた。まるで決定付けられた進路を行くアンドロイドのように。SST帝国軍は本国に二個師団の本土守備隊を残して残りの部隊はまず、東部のアメノムラクモンチュア王国へと駒を進めた。




