プロローグ
ある日いつもの様に学校の授業を受けていた、何処にでもいる普通の女子高生である雲中良好は、大阪府立女子大学附属灰青(おおさかふりつじょしだいがくふぞくはいせい)高等学校に通う今時のJKであった。
部活動はバレーボール部に所属していたが、つまらない為、入部後わずか5日で辞めてしまっていた。面白い事も無く、つまらない男を彼氏にして、無意な日々をただ何となく流される様に過ごしていた。
だが、その日は突然訪れた。雲一つ無い快晴だったこの日の3時限目。教科は家庭科の調理実習をしていた。この日のメニューは、焼き魚定食であった。(ご飯、味噌汁、アジの焼き付け、漬物)良好は、アジの焼き付け担当であった。四人一グループの班に分かれていた。アジを捌いた良好は、コンロに四人分のアジを入れて、アジが焼けるのを待っていた。ただこの時、良好は、時間を計るのを忘れてついインスタを見ていた。すると、コンロから次第に黒煙が出てきた。気が付けば、その煙に包まれて段々と意識が朦朧としてきた…。
目が覚め、意識を取り戻すと、そこは辺り一面が草原になっていた。何だか少しだけ体が軽い。私は死んでしまったのだろうか?良好には分からなかった。
「ここはどこ?」
すると草原の彼方から凄い勢いで良好の元へ馬と共に来る騎兵が単騎現れた。ダカダダカダッタ、ズサー!
「誰!?」
「御待ちしておりました。貴女は、この世界を救うラスト・ヴィーナス。この世界の民は貴女の到着を首を長くして、待っていました。申し遅れました。我が輩はクラウディアス王国騎士団長のバルザンと申します。以後お見知り置きを。ようこそ、クラウド王の治めるクラウディアス王国へ。」
「よく意味が分かっていないんだけど、これからどうしたら良いの?」
「乗って下さい。」
「マジで?超絶怖いんだけど。」
「とりあえず、ここは危険です。乗って下さい!」
「はーい。ってか、何なのよこの世界は?地球じゃないの?」
「話すと長くなりますので、クラウディアス城に向かうまでに簡潔にこの世界の事をお話し致します。この世界は4つのエリアに分割統治されていて、このクラウディアス王国は、西部に位置すると言う。そして今南部の新興勢力ストーム・スノー・トルネード帝国が強大な兵力を行使して、ノース(北部)とイースト(東部)の領地を荒らし回っていると言う。このトルネード皇帝が治めるストーム・スノー・トルネード帝国が不穏な動きを見せていた所であります。」
と、よく分からないが、良好は、死んでしまったのか?それともラスト・ヴィーナスとしての務めを果たして、元いた世界に戻れるのであろうか?そして彼女を待ち受ける運命の悪戯とは?衝撃のアドベンチャー・ファンタジーがここに幕を開ける。