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さくら堂書店を出てから
あたしたちは帰り道を歩いていた。
~♪
突然着信音が鳴りだした。
雄輔さんの?
「ん?もしもしどーした?何かあったか?」
相手を確認して通話ボタンを押した雄輔さんは
いきなり眉をひそめた。
「んで、今どこだよ。え?ったく・・・・
しゃーねーなぁ・・・近くにいるから待ってろ!」
そう言うと、
「・・・・・わりぃ、ちょっと事故ったらしい・・・
近くらしいから、行ってくるわ。」
「一緒に行っていい?」
思わず口に出た言葉。
実は、自分でも予想外。
は?って顔して雄輔さんがあたしの顔をまじまじと見る。
「時間かかるかもしんねーぞ?」
「分かってる。で、どっち?」
「向こう。んじゃ、ちょっと付き合え。」
そう言って雄輔さんは走り始めた。
少し走ると、ハザードランプをつけた車が見える。
「あれか・・・」
雄輔さんがつぶやくと、スピードをあげた。
あらら・・・・ガードレールが見事に突き破られている。
「怪我は?誰か巻き込んだりはしてねーのか?」
「いや・・・子どもをよけようとしてハンドル切ったら
こんなとこにぶつけちゃって・・・・」
そこには青い顔をして座りこんだ女の子がいた。
「んで、連絡はどこにした?」
「雄輔んとこだけ・・・・」
雄輔さんがため息をつきながら尋ねる。
「こんだけ大破してたら、警察だろ。まず。」
「でも怖くて・・・・」
道路にしゃがみこんだままの女の子。
かすかに手が震えてる。
もしかして足もたたなくなってる?
「取り合えず警察に電話するわ。
で、後はお前だ。ぶつけたとことかあるか?」
「わかんない・・・・」
「立てるか?」
「足が・・・・力入んない・・・」
そう言って、雄輔さんの腕に力なくすがる。
「警察にはあたしが・・・」
「ワリぃな。頼むわ。」
いったい何でドキドキするのか分からない動悸に耐えつつ
雄輔さんたちに背を向け、生まれて初めての
110番通報をした。
すぐにやってきた警察との実況見分の結果、
ガードレールは弁償ということになった。
知らなかったんだけど
ガードレールって結構高いらしい。
ぶち破った分、〆て30万を超えていた。
パトカーの赤いランプと共に
強烈に印象に残っているのが
泣き顔のまま、雄輔さんにしがみついていたあの手。
知り合いということは分かったけど
軽くパニック起こしてるのも分かったけど
ふと、2人の空気にあたしは疎外感を感じた。
大変な時になのに、あたしは
なんとも言えないモヤッとした気持ちを
ずっと抱えたままだった。




