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「全く、あんたって子は!
どんだけバカなのかしら!」
母親に張り倒されてなお、仏頂面の卓也。
「警察でも何でも突き出してちょうだい!
本当にご迷惑おかけして申し訳ありません!
ほら!あんたが謝んなくてどうすんのよ!」
首根っこ捕まえて頭を机にゴンと打ちつけるお母さん。
おいおい・・・・・・
大丈夫か・・・・?
「今回は、保護者引き取りということで
手を打ちたいと思いますが、2度目は警察に引き渡しますね。
万引きは犯罪ですから。」
あたしは母親と卓也に向かってそう告げた。
「へん!今度はもっとうまく見つかんねーようにするさ。」
目を吊り上げて言う卓也に母の鉄拳がさく裂した。
「ドアホ!」
拳骨くらって頭を抱える卓也にあたしは言った。
「世の中で一番大事なことって、誠実であることだって思うんだ。
真面目なヤツが報われるようでなきゃおかしいよね。
君がしてるのは、真面目なヤツが損することだよ。
だから世の中では犯罪として取り締まられているの。
見つからなければいいとか、
見つかってもお金払えばいいとか
そういう風に思うあなたの気持ちは
とても寂しいね。
だって、人のことも、自分のことも
大事に出来ないってことだから。
人の大事なものも平気で踏みにじれるってことなのよ。
今、お母さんはものすごく怒ったけど
人として道を踏み外したあなたが許せなかったから。
どうでもいい人が間違っても怒らないけど
大事な人が間違えたことをしていたら
正してもらおうとするのは当たり前。
その気持ちも、良く考えてみてほしいな。
私たちだって、この商品を売ったお金で
生活している。
それを脅かされたら困るし、腹が立つ。
その気持ちは、分かってもらいたいな。」
訥々と、あたしは卓也に語りかけた。
誰も口を開かない。
「さ、じゃ、お母さん、後はご家庭でよく話し合ってくださいね。
もう2度とこんなことがないように願っています。」
雄輔さんはそう言って、二人を帰した。
「お疲れさん。」
「お疲れさまでした。」
あたしたちはほっと胸をなでおろした。
ま、一件落着かな。
「しかし、語ったねぇ。」
ニッと笑いながら、雄輔さんはあたしの前に
側の自動販売機で買ってきたココアを置いた。
「ありがとうございます。」
昔やったプレゼンよりは緊張せずにしゃべったわ・・・・
と、遠い目をして思い出していたら
「よく頑張りました。」
って、頭をなでなでされた。
あの・・・・・あたし、子どもじゃないんですけど・・・・・




