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最近さくら堂書店はおかしい。
いや、書店がおかしいわけじゃない。
働いてるあたしたちがおかしい。
あたしは・・・・・
あれから雄輔さんと目が合わせられなくなった。
大人なんだし、別に割りきって
あの日のことはなかったことにしようと
そう心に決めたのに
あの日からあたしはどうしても雄輔さんの目を
まっすぐに見ることが出来なくなった。
視線はやけに感じる。
雄輔さんはというと、
あたしに対しては少し距離を感じるようになった。
あたしとしては願ったりかなったり。
だけどしきりに視線は感じる。
気付かないふりしてるけど。
今までの雄輔さんからして、
あたしになにも声をかけてこないことが
妙に不自然なんだけど
声をかけられてもどう返していいか分からないので
そのまま放置している。
なんか・・・・あたしは中学生か!
それに、片桐さん。
前までは雄輔さんに話しかけては
嬉しそうにしてたのに
今はなんだか心ここにあらずって感じ・・・
そして仕事が終わりに近付くと
店内にふらっと現れる廣岡さん。
その姿を見て、余計にそわそわしだす片桐さん。
そして、閉店時間になると
そそくさと片付けをして
ものすごいスピードで
「お先です!」
って、バッグをひっつかんで小走りに帰ってく。
「すんげー分かりやすいな・・・アイツ。」
フッとほほ笑んで雄輔さんが片桐さんを見送った。
釣られるように片桐さんの去った方に目をやると
店の少し先で背の高い人が立っている。
片桐さんはその人の腕にスルッと腕をからませると
なにやら話ながら二人で歩き始めた。
・・・・・・・・・・・・
あんだけ嫌そうに言ってたのに
廣岡さんだよね・・・・
いつの間に・・・・・
「な?これで心おきなく付き合えんぞ?
俺なら泣かせたりしねーし。
おすすめだと思うけど?」」
・・・・・・・・・・・・
「それとこれとは全く別の話ですから!」
あたしは、きっぱり言い放つと
「あたしもお先に失礼します。」
と、鞄を手にした。




