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「バカなこと言わないで手、離してください。」
すたすたと歩く雄輔さんにあたしは半ばあきれて
声をかけた。
あまりに展開脈絡なさすぎでしょ。
何であなたのうちで飲まなきゃいけないんですか。
意味分かんないし。
「ヤダね。それに、ちょっとt聞きたいことあんだ。」
「何ですか?」
「さくら堂に来る前に何があった?
みょ――に病んでただろ?
最近めっきり元気になったみたいだけど
気にはなってたんだ。
見事に無反応にスルーされたけどな。
だけど、アイツに会ってから
それが壊れたというか・・・・・
実は、あれからちょくちょく見かけンだよな・・・」
「え?どこで・・・?」
もしお店に来るんだったら
気をつけなきゃ。
・・・・・ってなにに?
菊池さんは奈々美さんがいるんだから
今更どうこうってこともないだろうけど・・・
でも、店で会うのは本気でまずいような気がする。
通われても困るし・・・・
「どこでか知りて~だろ?」
ニヤッと笑う雄輔さんに
「いえ、まったく関心ありませんけど。」
と、口では答えた。
「じゃ、もうきっぱりふっ切ったってか?」
「もちろん。」
心の中は正直自分でも分からない。
ふっ切ったつもりでも
姿を見れば心がざわつく。
でも、口ではきっぱり言い切ることが出来た。
これも、営業で鍛えられたおかげ。
「考えてることは、絶対相手に悟られるな。
顔に出すなんてとんでもない。
言うべきことをきっぱり宣言する。
迷いなんてみじんも見せるな。」
そう言って菊池さんは、
あたしの口調を叩きなおした。
だから、迷う気持ちなんて伝わるわけはない。
「んじゃ・・・大丈夫だよな。」
「何がよ。」
雄輔さんは答える代わりに
いきなり走り出した。
お・・・・・い、ちょっと・・・・
それはないでしょ・・・
あたしたち、さっきまで飲んでたんだすけど・・・・




