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さくら咲く  作者: みほ
43/110

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病院に運ばれた店長は


苦しそうにうめいたまま話が出来なくなっていた。


あたしは、見たままのことを先生に話して


店長が手当てを受けている間


廊下のソファーで待っていた。



そうだ・・・・お母さんにも連絡しておかなきゃ。


スマホでお母さんの連絡先を呼び出す。


「もしもし?お母さん?」


「あら、仕事中じゃないの?


こんな時間に何かあったの?


元気にしてる?体調はどう?」


心配そうにまくしたてるお母さんの声に苦笑い。



あたし、そんなに心配かけてたんだ・・・



「大丈夫なんだけど、今、総合病院に来てるの。


おばさんが倒れて救急車で運ばれて。」


「え?お姉ちゃんが?」


「うん。で、今診察してもらってるとこ。


お母さん、来てくれる?」


「分かった。今からだと1時間くらいかかるけど


すぐ準備して行くわ。」



あたしはほっとして通話を終えた。



そう、店長はあたしの家の近所に住む


母の姉だった。


たった一人、結婚もせずに本屋を経営し


いつも難しい顔してるおばさんを


あたしは小さいときからポリーおばさんみたいと


いつも思っていた。



ほんとのお話なら、ポリーおばさんは


お医者様と幸せになるんだけど


うちのおばさんにはそんな素敵なお話はないみたい。



大丈夫かなぁ・・・・と診察室のほうを見るともなしに見ていると


ガラッとドアが開いて先生が出てきた。



「ご家族はどなたかいらっしゃいますか?」


「私は姪ですが。おばは一人暮らしなので。」


「では説明させていただきますね。」


そう言ってお医者様が言った言葉に


あたしは大きなショックを受けた。



「腹痛じゃなかったんですか?」


「はい。心臓の働きが少し気になります。


心臓が悪いのにお腹や背中の痛みを


訴えられる方はよくあります。」


「大丈夫なんでしょうか・・・?


もう話は出来るようになりましたか?」


「ええ。もう少ししたら治療が一段落しますので


入ってください。今日はこの後、


入院していただくことになりますが


よろしいですか?」


丁寧に若い女医さんが説明してくれる。



「具合はどう?」


おばさんの側に行ったあたしはおばさんから


予想もしないことを言われた。


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