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さくら咲く  作者: みほ
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24/110

24

「あ・・・・」


思わず声をあげてしまった。


「・・・・・久しぶりだな。元気か?」


泣きたくなるくらい懐かしい声。


何でこんなとこで?



「ちょっと話しないか?」



何でこんなところで出会ってしまったか


信じられないけどそこにいたのは菊池さんだった。



「話なんて何もない。さようなら。」


慌てて踵を返そうとしたけど


「待てよ。」


ぐいっと手首を引かれ、少しよろけた。


今でも出来ることなら


その胸に飛び込みたい衝動にかられる。


そんな自分に戸惑った。



だけど、次の瞬間、


「触らないで!汚らわしい!」


つい出てきた言葉。



「その手で、奈々美さんのこと


抱いてるんでしょ。


あたしに触らないで。」


「バカ・・・何言ってんだよ。酔ってんのか?」


そのまま胸に抱き寄せられて


昔みたいに髪をなでられた。



何でそんなことが出来んの!?



「探したよ。」



甘い声に、心が崩れ落ちそうになった。


「ウソ・・・」


涙がこぼれおちる。


今でも心が悲鳴をあげている。


やっと閉じかけた傷が


またバックり開いてしまった瞬間だった。



「あたしは信じてた。


でも、あなたはそうじゃなかった。


いまさら何を言うことがあるの?」


優しくて暖かい腕の中から抜け出して


睨みつけたあたしの瞳から大粒の涙がこぼれた。



「関係を修復しようとしなかったのは


お互いさまじゃないのか?」



この期に及んでまだそんなことを?



思わず振り上げた手を


後ろからギュっと捕まえられた。



ん?だれよ!



「コイツが何か御迷惑でも?」


あたしの手を掴んだまま、


静かに菊池さんに声をかけたのは


雄輔さんだった。


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