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「親睦会兼ねて、飲みに行くぞぉ~。」
いきなりその日の午後、
雄輔さんがあたしたちに宣言した。
「いいわね。もちろん行くわよね。」
片桐さんがここぞとばかりに
その話に乗ろうとしている。
「あたしは・・用事が・・・」
「いいねぇ、じゃぁ、今日はあたしがおごろうかね。」
あたしの言葉を遮るように
店長が言葉をかぶせてきた。
「やったぁ!さすが店長!」
「あたし、店予約しときます。全員参加でいいですね♪」
片桐さんが素早く言う。
「駅近くのいつものとこでね。」
店長の言葉に、
「了解です!」
と、雄輔さんが敬礼した。
「あんたも参加。これも仕事。いいね?」
店長があたしに念押しした。
・・・・・・・・・・・・
仕方ない。
参加すればいいんでしょ。参加すれば。
仕事の後、あたしは重い気分を引きずりながら
みんなについて行った。
案の定、片桐さんは雄輔さんにべったり。
雄輔さんもまんざらではないのか
別にいやがるようすもない。
ま、あたしには関係ないけど。
お店に入ると、にぎやかな声が聞こえる。
個室に案内されて、
あたしたちも注文した。
「じゃ、おつかれさーーん!」
と、グラスを掲げ、飲み会が始まった。
適当に飲んで帰ろう。
そう思っていたのに・・・・・・
トイレに出たその時、
運命としか言いようがない再会が
あたしを待ち受けていた。




