勇者と魔王の最終決戦?
ある所に人間界の侵略を狙う魔界があり、人間界は魔界、それもその支配者である魔王によって未曽有の危機を迎えていた。
魔王、セドーマ・ヴェルダッハ。
剣も通らない鋼鉄に近い鋼の身体と、煌めく金色の剣を振るう魔界の王である。
そして彼には4人の最も信頼を置く部下、四天王が居た。
一の四天王、オーガのワルンド・バイアアルパ。
岩をも容易く破壊しきる圧倒的な筋力と、筋肉に満ちた筋肉質な人の10倍もありそうな屈強な背丈。
二の四天王、ホムンクルスのガンマ・デーメオン。
魔界軍の武器開発を一手に引き受ける、体内電気を操る魔王の作った人工生命体。
三の四天王、サキュバスのアイ・ヘルタハ。
その豊満で魅惑的な身体で、全世界の男性を自らの虜として操って自身の力とする者。
四の四天王、ドラゴンのエンシェント。
魔界軍最強の武力の結晶であり、圧倒的な剣術と竜状態での圧巻的な身体と、その強さは四天王の中でもずば抜けた力を持つ騎士。
そして魔界軍はどんどんと人間軍を滅ぼそうと進行していく。
魔物達はどんどん人間を滅ぼし、人間はその魔物達に恐怖する。
勿論、人間世界も黙ってはいない。人間世界は魔王に対抗するため、勇者と言う者を作り出して歩き出す。勇者は魔界軍を倒すため、自分達の戦闘の邪魔をする魔物達を倒していく。
勇者は伝説級の装備、国王から貰った身体能力が10倍になる靴、無詠唱で魔法を発動出来るようになるマフラーを譲り受け、さらに魔界軍から奪い取った魔王のその身体を紙のように斬る事が出来るようになる藍色の魔剣。
そして上級魔物と同じくらいの魔力をその身に宿した女魔法使いと、教会の命を受けてその魔王討伐の手助けを買って出た賢者。
勇者達一行は魔王城へと向かって行き、遂に12月のある日。遂に勇者達一行は魔王であるセドーマ・ヴェルダッハと四天王達の居る魔界城へと辿り着き、勇者達一行と魔王と四天王達の決戦が起こる。
魔王城は勇者達の攻撃、そして魔王達の攻撃によってぼろぼろとなる。
そして四天王は死に、女魔法使いと賢者は激しい戦闘によって命を落とす。
残ったのは勇者と魔王との一対一の決戦。
「まさか……ここまで勇者達一行が強いとはな。正直、予想外としか言いようが無いな」
魔王、セドーマ・ヴェルダッハはそう言いながら、煌めく金色の剣を構える。
それに対して勇者は何も答えず、その藍色の魔剣を構える。その手に持つ藍色の魔剣はどんどん光に満ちて行く。
「決戦に語る言葉は無い、か。確かにその通りだ。
良かろう、その心意気に免じて我も最強の一撃にて叩きのめそうではないか」
セドーマは金色の剣をくるくると回転させ、勇者へと向ける。
そしてセドーマは地を蹴って跳び、勇者は藍色の魔剣に炎を灯してセドーマへと跳ぶ。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
「…………!」
勇者はその筋力を10倍にする靴の効果を存分に活かし、地面を力強く蹴って藍色の魔剣でセドーマの身体を斬る。セドーマの身体から大量の血が流れ、勇者の持っていた藍色の魔剣は壊れ去っていた。
「がはっ……! み……ご……と……! だがしかし、我を……殺しても……我の娘が……貴様らを……」
セドーマはそう言って、その血だらけの身体で地面へと倒れる。勇者は魔王を倒す際に受けた血で汚れたマフラーを脱ぎ捨て、女魔法使いと賢者の死体を見て勇者は魔王城から出て行ったのであった。
魔王は死に、人間界に平和が訪れたのだった。
「こんなんでどうですか、姫様?」
「……事実と全く違うんですけど」
と、四天王二の息子である僕が作った文章を見て、魔王の娘は溜め息を吐いていた。




