↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の娘と四天王の息子  作者: アッキ@瓶の蓋。
第1話 魔王城、再建します?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/60

物語はここから始まる?

「そうは言ってもですね、姫様。物事には建前や嘘と言う物がどうしても必要なんですよ。それに間違った事は言ってませんよ? いささか言い方は変えてますけど。

 まさか女魔法使いの命を削るほどの魔法で四天王が4人とも死亡、そして賢者の自らの命を神に捧げる事によって魔王様の体力が半分ほど削られて、勇者の藍色の剣の耐久力を全部無くしてまでやった攻撃によって魔王様は倒れましたと言う事を歴史に残します?」



 と、僕は魔王の娘、つまり姫様に言う。

 僕の名前はベータ・デーメオン。二の四天王、ガンマ・デーメオンの息子である。

 自分で容姿説明と言うのもいかがですけれども、聞いてください。容姿といたしましては青色の髪を乱雑に適当に伸ばした脇くらいまで伸ばした髪、赤い猫のように細長い瞳。中性的な顔と平均的な背丈、黒いスーツの上に少し大きめの青いシャツを羽織っている。

 まぁ、それが僕ですけど。



「でもでも……。事実を歪曲(わいきょく)するのはいけないと思いますですよ! お父さん達の名誉を守るのも重要ですけれども、事実は事実でちゃんと記録しておいた方が良いですよ!」



 そう言って僕に注意してるのは彼女は魔王の一人娘、パテカニア・ヴェルダッハ。通称、姫様。

 銀色の腰より長く伸びるロングストレート、吸血鬼を思わせる魅力的な赤い瞳に女性的な魅力的な顔。女性としてはかなり長身な背丈とスレンダーな背丈、白と黒の印の紋様が描かれた紫色の和服のような服を着た女性である。



 僕と姫様は魔王様に頼まれてお買いものを頼まれていましたので、無事だったのですが。どうやら勇者様御一行によって魔王様と四天王様達は殺されたのですけれども、まぁ、僕はそんな事よりも



「僕はお金さえ稼げれば、それで良いんですけれども」



 そう言って僕は魔王城にあった金目の物を拾う。魔王様が居なくなった以上、この物達は売り払ってお金を手に入れるしかないないんですけれども。



「……相変わらずベータは金しか目が無いんですね」



 と、姫様は「ふー……」と溜め息を吐く。



「失礼ですね、姫様。この世は金ですよ。人間、金に生き、金に育てられ、金に死す。それは悪魔も同義なんでですよ。

一に金、二に金、三、四が無くて、五に金。この世は金だけですよ?」



 全く……。本当ならば姫様の御守りも嫌なんですけれども。けれども魔王の娘ならば仕方ないですかね。うん。ならば今、出来る事をしましょう。とりあえず金目の物を集める事に集中しましょう。おっ、この剣は高値で売れそうですね。



「相も変わらず、ベータはお金にしか興味が無いんですね。ガンマ様は愛に満ちたお方だったのに……」



「……ガンマ様は関係無いですよ」



 ガンマ・デーメオン。二の四天王であり、魔王軍の武器開発を一手に引き受ける者。その行動原理ははっきり言って、愛である。「一に愛、二に愛、三、四無くても、五に愛だ」と平気で言えるような人。それがガンマ・デーメオンだった。

 しかし僕は確かに彼の武器開発技術には尊敬の念を抱いているけれども、その行動原理は理解出来ない。どうして愛をそんなに重要視する人間が武器を作るのかが理解出来ないし、それに愛だけで生きられるほどこの世が甘くないって事も知っている。だから僕にとってガンマ・デーメオンは理解出来ない。

 姫様はそんなガンマ様を実の親のように思っていたみたいですけれども、流石に僕としてはお金の方が大事なのでそこまで落ち込んではいないというだけである。

だいたい姫様は落ち込み過ぎである。魔王の娘が、魔王の後継者がこんなに甘くて果たしていいのだろうか? 今後の魔界が心配である。攻めて財政破綻(ざいせいはたん)してくれなければ良いんですが。



「僕はガンマ様を尊敬してましたけど、人格的には否定していましたよ。愛だけでは人は動かないし、愛だけで人は生きていけないんだから」



「死んだ親の御前で金目の物を取っているベータの考え方の方が私には理解出来ないですよ……」



「いや、僕だってガンマ様が死んだ事は悲しいと……あっ! この壺、そんなに壊れてないし高値で売れるかな?」



「せめて最後で言いましょうねです!」



 「ううっ……」と泣きながら自らの父親であるセドーマ様を抱きかかえる姫様。全く……。



「姫様! せめて泣き止んでもらえますか? そんな事では死んだ魔王様の魂も浮かばれないと思うんですけど」



「でも、でも!」

 


 あー、うざい。けれどもこんな彼女でもこの魔界を率いる器に成長して貰わないと、魔界が心配ですし。それにこの勇者と魔王の決闘を歴史書のように描いたこの原書を早い所、高値で売りさばきたいのにこのままだとここを離れられない。

 ……え? 別に姫様が心配と言う訳では無いですよ? 確かに心配と言えば心配ですが、私としてはここで姫様を置いて行ってしまい、そのせいで「魔王の娘を捨てた」と言う嫌な悪評が流れたせいで信用が低くなってしまって、今後物を高値で売れなくなる事の方が心配です。



「はぁ……、仕方ないですね。本当はもっと別の所で高値で売りたかったんですけれども」



 本当に不本意です。ですけれども、ここは未来への投資として諦めるしかないですね。



「姫様」



「ふぇ……?」



 ……くっ! どうしてそんな大人びた顔でそんな可愛らしい声を出すんですか! ニーズが! ニーズが定まっていないじゃないですか! そう言うのは売りにくいと……いや、今はそんな事を思ってる場合じゃないですね。



「姫様。要するに魔王様ともう一度会えれば満足なんですね、姫様は?」



「……! う、うん……! たとえどんな姿になってもお父様が蘇ってくれるんだったら、それ以上嬉しい事はないです!」


 ……なるほど。たとえどんな姿になっても(・・・・・・・・・)ですか。その言葉、いただきましたからね。返品不可能、クーリングオフ不可能ですからね。その言葉、嘘でない事を願っていますよ。



「じゃあ、姫様。今から魔王様復活と参りましょう」



「え……?」



「だから始めるんですよ。只今より魔王様転生プロジェクト、発足です!」



 そして僕は魔王様の姿を持ってとことことガンマ様の研究室へ向かって行った。



「引きずってるです! お父様の(むくろ)、引きずりすぎですから!」



「……大丈夫だよ。多分」



「非常に不安しかないですよ!」



 そして僕と姫様は魔王様の骸と共にガンマ様の研究室へと向かって行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。