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虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~  作者: すなる
1章 第一部 新世界~リーザス編

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10話 リーザスの街 酒場 そして宿へ

『かんぱーい!』

ルッツの案内でお勧めの酒場に招待され皆でテーブルを囲んでいた。


ルナは初めて見る御馳走を前に目を輝かせて涎を垂らしていた。

久々のまともな食事とお酒を前にしてハルトもテンションが上がっていた。


くぅ~!少し温くて炭酸も薄いが、久々のアルコールが身に染みる……。

ルナもテーブルに並んだ肉や魚にががっついて幸せそうな表情を浮かべている。


「いやぁ!ただ物では無いとは思ってたけどまさかあのベンゼルをたった1撃で倒してしまうなんて流石ですね!」

「運が良かっただけですって」

見られてたのか……!ってか見てたなら止めてくれよ!


「ふんっ!少しは認めてあげなくもないわね」

ミリルは典型的なツンデレを披露していた。

うわー。生で初めて見た。ツンデレ美少女。


「くはぁ~!今度俺とも手合わせ願いたいものだ!!ガハハ」

ローガンはジョッキを一気に飲み干しながら笑っていた。


「ハルトさんホントに素敵でしたわぁ……♪」

そう言いながら頬を赤らめてうっとりした目をしたエレンがハルトに寄りかかり顔を違づける。

顔が近い上、胸元が見えそうだったので思わず照れてハルトは目をそらした。

そんなハルトとエレンの姿を見てルナが食べる手を止め尻尾をピンと立てて睨みを利かせている。


「あー、もう酔っちゃってますね。すみませんハルトさん。この人お酒を飲むといつもこうなんですよ……はは」

フィルが水をもらってきてエレンに飲ませ介抱していた。


「まったく、こいつはしょうがないな……。二人とも気にしないでくれ。エレンは普段糞真面目なんだが酒を飲むと人が変わっちまってな……はは……」

ルッツの話を聞きながらハルトも苦笑いをしていた。


「あの、一つ聞いてもいいですか?」

「ん?どうしたー?」

「兎1匹を譲った程度で、二人分の食事とお酒までおごって頂いてほんとによかったんですか?」


ハルトの言葉を聞いてミリルがすぐ反応した。

「兎程度?いくら強いからって、その言い方は癇に障るわねっ!」

ハルト達はミリルがなぜ突っかかってくるか分からなかった。


「えーと……。キラーラビットはこの辺りでは一番凶悪な魔獣で、ゴールド以上の冒険者がチームを組んでやっと仕留められるくらいなんですよ……?なので1匹の討伐報酬は金貨20枚というのが相場で……」

ゴールドって言うとしたから4番目の等級か。ってことはこの5人もそれなりの冒険者だったのか。


通貨の単位はよくわからなかったので詳しく話を聞いた。

当然驚かれたが、僻地から出てきた田舎者なので物々交換で暮らしていたので通貨を使ってこなかったという苦しい説明でどうにか胡麻化した。

この世界では通貨は4種類の硬貨しか流通しておらず、銅貨、銀貨、金貨、白金貨と価値が上がっていくらしい。

価値はそれぞれ10倍になっていくそうだ。

ここの食事が一人銀貨5~7枚程度でここにいる7人分でもせいぜい金貨4枚と少し程度らしい。

なのでキラーラビットを譲ってもらって飯をおごるだけなら大したことないそうだ。


それでハルトが譲るといったときにルッツは驚いていたらしい。

ミリルが横取り!と騒いでいた理由も先ほど怒った理由もこれでようやくわかった。


「キラーラビットを兎1匹程度……か。がはは!豪気なことだ!」

「ローガンうるさい!!ベンゼルを黙らせたのにはスカっとしたから見直してあげようかと思ってたけど、やっぱ私は気に入らないわ!ふんっ!」

「まぁまぁ。こうして俺らが怪我もなくうまい飯を食えてるのはハルトさんとルナさんのおかげなんだから」


「そうれすよ~♪こうしてお酒をのめるのは――」

「あー、あー!エレンさんもうお酒はダメです!」

「えー。フィル君ももっと飲みましょ~♪」



「これがお酒?なんだかふわふわするし、おいしー!」

「おっ!?キャトランのねぇちゃんいける口か!?酒は良いぞー!!ガハハハハ!」


最初あの世界に転生したときは絶望したけど、隣にはルナも居て、こうしてたくさんの人と一緒に食事を出来るのは本当に楽しいな。

こうして久しぶりの賑やかな夕食をハルト達は満喫した。



食事も済んだのでルッツに色々と聞きたいことを確認した。

どうやらこの世界は文化水準はあちらの世界の中世程度。

この世界に住むほとんどの者は街に集まって生活しているらしい。

冒険者以外にも多いのはハンターと呼ばれる獣の狩猟専門の職業だという。

狩猟ギルドは主に獣専門で、必要に迫られれば魔獣や魔物も相手をするが自ら挑むことはないそうだ。

それらの危険なものの討伐は騎士団や冒険者が担っているという。


魔獣というのは普通の獣と同じように繁殖して増えるが魔力を持っている存在らしい。

キラーラビットも魔力を駆使して身体能力を上昇させて襲ってくるので普通の獣よりも厄介なんだそうだ。

魔物というのはどうやって生まれるのかは詳しくわかっていないそうだが、魔法やスキルを駆使するらしい。

スライムなどが魔物の定番で知能は獣以下だが、どんなものでも溶かす溶解というスキルを持っているので普通の武器では太刀打ちできないらしい。

俺の知っているスライムといえば冒険の序盤に登場する最弱の魔物だが、この世界のスライムは全然違うようだ。


そして魔獣の肉や魔物の死体は魔力を帯びているので物によってはかなり高価で取引されるという。

魔力を帯びているので肉の味も普通の獣よりも上質で素材も質がいいそうだ。

キラーラビットはその足にかなりの魔力が宿っているらしく、高値で取引されているらしい。


魔法や魔力の存在は興味深いが、今はまだよくわからなそうなので深くは聞かなかった。


「さて、そろそろ行くとするか」

「ご馳走様でした。色々教えてくれて助かったよ」

「なーに、気にするなって。また会ったらよろしくなっ」


ルッツ達はそういうと酔っぱらったエレンとローガンを連れて夜の街に消えていった。



「さて、俺らも戻るとするか」


夜に街から出られるのかな?

無理ならロンドのとこにでも泊めてもらうか。

そう思いながら歩きはじめると、いきなりルナが背中に飛びついてきた。


「んにゃ~。ご主人様ぁ♪」


背中にしがみついたまま顔をすり寄せてくる。


「うわっ!酒くさっ!メッチャ酔ってるし…」


どうやらハルトがルッツと話してる間、ローガンとそのまま飲みまくっていたらしい。


「まぁお酒を飲むのは初めてだろうし仕方がないか……」



しかたなくへべれけになったルナをおぶってロンドの店に来た。


「おーいロンドいるかー?」


「旦那っ!やっと帰ってきたか!」


ロンドは体中に子猫を引っ付けたまま奥から現れた。

どうやらかなり懐かれたらしい。


「ふふっ。もうすっかり好かれたな」


「勘弁してくれよ。これじゃ危なくて鍛冶仕事どころか出発する荷物の準備もおいおいできねぇぞ……。そろそろ行けそうか?」


「そうしたいとこだけどルナがこれで……」


背中で酔っぱらったまま気持ちよさそうに熟睡しているルナを見せた。


「あー。仕方ねぇなぁ。でもここにはドワーフサイズのベッドが1つしかねぇぞ?宿ならまだ空いてるんじゃねぇか?」


「やっぱ宿か。悪いけど近くの宿を案内してもらえるか?」


「しゃあねぇなぁ……」


こうしてロンドに宿を案内してもらった。


「丁度二人部屋の空きがあるってよ。金は払っといたからゆっくり休んでくれや。明日の朝迎えに来るからよ」


「ありがとうロンド。助かったよ」




宿のおかみに案内されて部屋へと向かう。


「こちらのお部屋になります」


「ありがとう」


「では、ごゆっくり」


そういっておかみは立ち去ろうとしたが何かを思い出したように振り返るとハルトに小声で注意を告げた。


「お楽しみは止めませんけど、くれぐれもベッドをあまり汚さないようにお願いしますねー♪」


おかみはそう言ってハルトとルナの顔を見てウインクすると階段を下りていった。


「なっ!そ、そんなことしませんよっ!」


ハルトは顔を真っ赤にして否定した。




部屋に入りルナをベッドに寝かせ、隣のベッドに腰掛け窓の外を眺めた。


「ふぅ。人が居ない場所を望んだ俺がこんなことをいうのもあれだけど。たまには気心の知れる仲間と賑やかにするのもいいかもしれないな。社会人として人間関係に疲れ切ってたからあのときは、神様に人が居ない場所を望んだけど。俺の世界も気心知れた沢山の仲間でにぎわう楽しいところに出来たらいいな……」


そんなことを考えながらハルトも横になり目を閉じ眠ろうとした。


「んにゃー!あつーい!」


しかし、ハルトの眠りはルナの声ですぐに阻止された。



飛び起きて叫んだかと思ったらルナは急に服を脱ぎ始めた。


「こらっ!まてまて!」


ハルトは慌てて起き上がりそれを止める。


「ご主人様ぁ。ルナなんか変なんです。体が熱くて……」


脱ぎかけの乱れた服、とろんとした目と火照った赤い顔で見つめてくるルナはいつもと違い、あでっぽく見えてしまい、ハルトは照れて目をそらした。



「の、飲み過ぎだっ!おとなしく寝なさい」


「ご主人様と一緒じゃないと寂しいです……」


ルナが悲しそうな顔をしてハルトの袖を掴んだまま顔を見つめた。


ハルトは頭を掻きながら落ち着こうとした。


「あー!!!……わかったよ。ルナが寝るまで傍に居てやるから、安心して寝なさい」


そういってハルトはルナをベッドに寝かせると横に座って頭をなで始めた。

ルナは安心したようですぐに寝息を立てて眠りについた。

ルナのふわふわの頭をなでながら、その安心しきった寝顔を眺めているとハルトも心が休まり、ついそのまま眠ってしまった。


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