12.思い出として
ラストです。
読んでくださってありがとうございました。
小山優里はそのあと不思議な経緯で無事に就職試験に合格をする。
「エリスのいっていたお礼かもしれない」と思いつつ入社する。
新入社員は覚えることもたくさんあって帰りも遅くなるし大変だ。
休日は大量に作り置きを作る。
冷凍食品もいいけれど、やっぱり自分は何か料理を作るのが好きなんだ。
そして誰かと一緒に笑いながら食べる。
今はたった一人だけど、いつか家族で・・・。
「異世界のみんなを見習ってがんばる」
それがどんなに疲れても頑張れる彼女の原動力になっていた。
仕事に慣れてくると乗馬にも挑戦してみる。
思ったよりも馬が可愛すぎてはまった。
そして時々思い出すかすかな胸の痛み。
ソルトさんは私のことどう思っていたのかな。
子供っぽいと思っていたのだろうか?
それとも妹とか?
いやさすがにそれは欲張り過ぎかな。
会えないのなら最後に聞いておけばよかったかな。
休日はぼんやり異世界のことを考える。
鏡をのぞきこんで、異世界人よりも自分の平べったい顔を眺める。
「うん。お化粧の練習しよう。
子供だと思われてるの見返してやるんだから」
◇
夏が過ぎ秋になっても、心の疼きは残っていた。
肌寒い秋の風が枯葉を舞い上げていく。早くも、もみの木が売られてる。
夕空が緩やかなオレンジの稜線を描いていた。
私、さすがにおかしいよね。
もうそろそろいい思い出になってもいいと思うのよ。
なんでだろう。
何かの心残り?
いやさすがにそんなはずはないよね。
何度否定しても湧き上がるこの気持ち。
わかってるんだ、本当は。
でもちゃんと忘れようよ。
どうにもできないってわかってるんだもの。
優里、しっかりしなさいよ。大人でしょ?
押入れを片付けてゲームを見つけて手に取る。
何度も忘れようとしてる。
新しい恋をしようと思ってる。
なのに動けない。
「これがあるからいけないのよね。捨ててしまおう。」
そう思ってふと、ゲームをクリアしてないことに気が付く。
ゲームでもそうだけど絶対に逃げ出せないようになってる。
あれだけ厳重に聖女様を管理するということはそれだけ聖女候補者の逃げだすことが多かったということではなかろうか?
セルベス国が聖女様にたいしてひどい国だと証明してるようなものだ。
捨てる前にもう一度だけゲームしてみようか。
コードを繋いで電源を入れる。
思い出のあるタイトル画面が出てきた。
懐かしくて泣きそうになる。
そして次の画面で本当に涙腺崩壊してしまうのだった。
「おかえりなさい。ユーリお姉さん。また会いましょう」そう画面に文字が表示されていたのだった。
◇
涙があふれた。
ユーリとしての大切な青春がそこにあった。
私こっちでがんばれる。だから皆さんもがんばって。
「また会いましょう」
エリスさんがそう書いてるんだ。
きっとまた会える。
こっちで私のできることをしなくてはね!
この先もあったのですが、書いてるうちにこっぱずかしくなり投げました。(おい)
読むよりも書くほうがお砂糖成分過剰摂取でキュン死しかけると知りました。
もし、少しでも面白かったと思っていただけたのなら、
『ブックマーク』と【評価】何卒応援よろしくお願いします。




