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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: リラックス夢土


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第76話 盗賊団のアジト潜入しました

 それから数日経って私は荷馬車の箱の中にいた。

 盗賊団は荷馬車ごと盗んで行くと聞いたので私が荷物の箱の一つに入っていてもすぐには気付かれないだろうとの判断だった。

 荷馬車は商人の一行を偽装して盗賊団が出やすい場所をコトコトと走っていた。


 それにしても箱の中って窮屈ね。


 箱にはちゃんと空気穴も開いてるし中から蓋を開けられるようになってはいるのだが基本的に木箱なので身体に当たる部分が痛い。


 こんなこと何回もやりたくないから一回で獲物がかかって欲しい。

 盗賊団が今日絶対にこの荷馬車を狙ってくるとは限らないのがちょっと不安ではある。


 神様。どうか盗賊団が引っ掛かりますように。


 私はそんなことを願いながら箱の中でジッと待つ。

 すると外から声が聞こえた。


「盗賊だあ!」


 偽の警護の者の声が聞こえる。


 来た!!


 馬車の外では馬の足音や剣戟の音が聞こえるが元々荷馬車を盗賊団のアジトに持って行ってもらうのが目的なので警護の者たちもすぐに盗賊団に降伏する。


「よし!荷馬車を運べ!」


 そんな声が聞こえて一度停まっていた荷馬車が動き出す。

 私たちの作戦通りに盗賊たちはイチイチ荷馬車の荷物を確認しないみたいだ。


 まあ、すぐに退却するのにイチイチ荷物の中身を確認してたら警備隊に捕まるものね。

 予想通りだわ。


 それから荷馬車はスピードを上げてガタゴト道を走って行く。

 荷馬車が大きく揺れる度に私は箱の中で身体が打ち付けられる。


 痛い! ちゃんとした道走りなさいよ!


 私は声にならない声で盗賊団に文句を言う。


 どのくらい走ったかは分からないが外から水の音が聞こえる。


 この音は川?ううん、この轟音は滝の音だわ。


 盗賊団のアジトは滝の側にあるのだろうか。

 後でアジトの目印になるかもだから覚えておかないとね。


 そしてその後は荷馬車はゆっくりと進み停車した。


「よし。とりあえず荷物はここに置いて、まずはお頭に成功したことの報告だ」


「へい、分かりやした」


 荷馬車を取り囲んでいた人の気配が消えていく。

 私は外の気配を伺いながら箱の蓋を少し開けて外を確認した。

 荷馬車がある所はどうやら大きな洞窟の中らしい。


 誰もいないわね。

 今のうちに外にでようっと。


 それにしても盗賊団のアジトに潜入なんてようやく異世界感が増して来たんじゃない?

 私が求めてたのはこういうスリル満点の冒険ファンタジーよ!

 あ、でも恋愛ファンタジーもいいわね。


 そして私の脳裏にブランとゼランの顔が浮かぶ。

 

 いやいや超絶イケメンでもあの二人はモンスター王子だからなあ。


 冒険ファンタジーか恋愛ファンタジーか私は一人で箱の外に出てぶつぶつ悩んでいた。


「おい!」


 誰かが後ろから声をかけて来たが私は自分の考えに熱中していて声を無視した。


「おい! お前!」

「何よ! うるさいわね! 私は冒険ファンタジーか恋愛ファンタジーで悩んでるんだから邪魔しないで!」


 私が振り返るとそこには一人の男性がいて私の喉元に剣を突きつけた。


「お前、何者だ!」


 しまった! ついどうでもいいことでここが盗賊団のアジトって忘れてたわ!



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