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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第74話 予算がもらえました

 私がクリスたちと盗賊団ゲットの話し合いをした後に屋敷に戻るとワイン伯爵に声をかけられる。


「アリサ! 聞いてくれ。今回要求した予算要求はほぼ全額認められた上に予備費も上乗せされたんだ!」


「まあ、予算要求が無事に通ったんですね。でも予備費というのは?」


「ああ、事業に使うお金とは別でいろんな用途に使えるお金だよ。今まではほとんど予備費は貰えなかったけどワイン伯爵領は領地改革にお金が必要だからってブラント王太子が宰相様たちに進言してくれたみたいなんだ」


 私はブランの顔を思い浮かべる。


 進言したってよりどう考えても「命令した」ってことじゃないの?

 あのモンスター王子たちならやりそうなことだわ。

 でもそんな職権乱用してこの国の未来が心配だわね。


「そうなんですか。とりあえず予算が予定通りについて良かったですわ。ブラン様たちには私からもお礼の手紙を書いておきます」


「ああ、そうしておくれ」


 ワイン伯爵は純粋に喜んでいるがここはブランにもゼランにも釘を刺しておかないといけないわね。

 国の予算を自分たちの感情で使ったりしちゃダメよ。

 でも実際は領地改革にお金が必要だったのも事実だから今回は大目にみてあげるわよ。


 私はワイン伯爵からどの事業にどれくらいの予算がついたかが書かれている予算書をもらって自室で確認した。


 ほぼ要求通りね。

 でも普通はもっと削られたりするんだけどこの国の財務事務官とかは大丈夫なのかしら。


 予算というものは削られるのを覚悟の上で少し金額を上乗せする場合もあるが今回はそういったものまで要求通りに予算がついている。


 財務課の係長だったらこうはうまくいかなかっただろう。

 係長の怒鳴り声が懐かしいわ。


 そして予備費としてけっこうな予算がついている。

 この予備費を使えば盗賊団が警備員になった時の給料も問題なく支払えるし後回しになっている介護支援の事業にも着手できそうだ。


 私は溜息をつきながらもブランとゼランに手紙を書き次にスミスが来た時に渡そうと机にしまった。

 あれから王子たちとの文通は続いている。

 内容はいつも私を賛美したり王宮内や王都であった出来事などだ。


 手紙の量は既にかなりの量になっている。


 でも、今回の計画はブランたちにバレないようにしないとね。

 私が危険な目に合うなんてあの二人が許しそうにないし。

 まあ、でも手紙に書かなければ分からないわよね。


 私はその時にそう思ったことを後悔することになるとは思いもしなかった。


 そこへクリスがやってきた。


「アリサ。いろいろ忙しいところすみません。保育園の実施状況についての報告書が来たので確認してもらえますか?」


「分かったわ」


 保育園の設置はアリン村で試験的に行っていた。

 報告書によるとやはり女性たちからは好評らしく利用者も多いとのこと。

 そして子供を預けた女性たちはいろんな仕事をしていることも書いてある。


「とりあえずは試験的な実績としては成功ね。この保育園を各村に設置するのにどのくらいの費用がかかるか計算してくれる?」


「分かりました。シラーやシャルドネに試算してもらいます」


「お願いね」


 クリスも忙しいだろうに文句ひとつ言わないで働いている。


 とても12歳なんて思えないわね。

 やっぱりクリスは天才なんだわ。


 私と一緒に王都に行ったらクリスにも彼女ができるかもしれないわね。

 だってイケメンで天才なんて女性たちが放っておくわけないもん!


 そこまで考えて私はあることに気が付いた。


 ブランとゼランは婚約者とかいなかったのかな?

 普通に考えたら12歳で成人を迎えるこの国で王太子や王子が二十代半ばまで婚約者の一人もいないなんてことあるだろうか?


 独身でも婚約者ぐらいいてもおかしくない。

 今度手紙で聞いてみようかな。


 まさかと思うけど既に妾とかがいて私もその一人にするとかじゃないでしょうね?


 私は「ダイアモンド王国の法律書」で王族の婚姻についてのところを確認する。

 すると「王籍を持つ王族は複数の者と婚姻関係を結ぶことができる」と書いてあった。


 これっていわゆる「ハーレム」を持つことができるってこと!?

 ブランとゼランはハーレムを持っているのかしら?

 これは後で確認すべき事項ね。

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