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異世界転生難民  作者: 夏色
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第1章 幼少期 2話

それからまた6ヶ月が過ぎた。




今ではハイハイでは無く家の中を二足歩行で歩き回る事が出来る!


勿論監視付きだが。。。


とは言え助かっている事もある。


この部屋に入りたい!

という時は指を向け、可愛らしく「ンー!」って言えば開けてくれるのである。


これはもう魔法なのでは無いのだろうか?


いや違うか。



まぁ何はともあれ助かっている。

自分で扉を開ける事は未だ叶わないのだから。



俺が自由に行ける所は限られている。

先ず階下には行けない。

行く時は飯を食う時ぐらいだろう。


よって俺の行動範囲はもっぱら二階だ。


二階には、俺やミリル、それと父親が寝る寝室。

それから子供部屋?簡易な遊具や絵本等が置いてあるので多分そうだろう。

そして書斎。これらが左側に位置する。


他には客間らしき部屋が3つ。

これが右側に位置する。


正面には大広間がある。

一階にもあるが二階にも同じ位置にあるみたいだ。

無駄な部屋数と広さだ。



取り分け俺の行き付けは書斎。

そこで色々な本から多種多様の知識を得ている。


勿論まだ今の俺には読めない。


言葉はある程度理解出来る様にはなって来たが、読み書きはまだまだ無理なのだ。


ではどうやって本を読むのか。簡単な事だ。


俺は自分の読みたい本に指を向ける。


そして精一杯の可愛らしい声で「ンー!」と、唱えるのだ。


そうすると、メイドのイリアがその本を持ってきて俺を膝の上に座らせる。

そしてその本をイリアが俺に読み聴かせてくれるのだ。


これはもう間違い無い。魔法だ!






いや違うか。






とは言え文字を見ながら読んで聴かせてくれるので、少しずつだが文字と言葉を理解して来た。


これに関しては毎晩読み聴かせてくれている絵本のお陰が強いのではあろうが。


思えばこの1年でそこそこの知識を得た気がする。


先ずはお家の事。



ミリル。俺のこの世界での母親である。


彼女は身体が弱いのか大体の時間をベットの上で過ごしている。

少し心配だ。


たまに俺が本を持って近くに行くと、自分の前に俺を配置して絵本を読んで聴かせてくれる。

柔らかく、優しい透き通った声で。


なのでその声を聞いていると大概眠りこける。

基本、知識を詰め込みたい時では無く、甘えたい時にご利用させて頂いている。


知識を単純に詰め込みたい時はイリヤがいる時で良い。



ミリルの性格は優しい。凄く優しい。

メイドさんへの当たりも凄く柔和だ。


多分うちは貴族で間違い無い。


家はデカいし、メイドの数も俺が知っている限りでも10人は越えている。


ミリルを様付けで呼ぶだけならまだしも、俺にまで様を付けて呼んでいるし、間違い無いだろう。



うちが貴族と仮定して、


普通、貴族とその従者という関係なら、従者(メイドや執事)がミリルに対して敬語を使うのは当たり前。


だがミリルもまた、従者に対して同じ様な喋り方(おそらく敬語)で喋るのだ。


それに極め付けは、メイドの1人が掃除の最中花瓶を落として割ってしまった事がある。


ミリルは直ぐに彼女に駆け寄り、彼女に対して治癒魔法を施した。

メイドの彼女にだ。


壊れた花瓶なんかより、指を少し切ったメイドを安じたのだ。


その時のメイドは必死に謝っていたが、ミリルは困り顔の笑顔で、怪我の事をずっと心配していた。


なんて優しいお母様なんでしょう!

感激です。




父親の事も少し分かってきた。


彼は朝起きると俺の所(2人が寝るベットの横にある俺専用のベビーベット)に来て、ヘニャリとした顔で「行ってきまちゅよー」等と気持ち悪い声でお別れを告げると、夜までは帰って来ない。


多分仕事でもしているのであろう。


貴族の当主の仕事とはどんな物なのかは知らないが、朝出て行き、夜に帰って来ると言う事は、まぁまぁ頑張っているのだろう。


因みに名前は未だ分からない。

何を隠そう興味が無いからだ。




後、うちにいるただ1人の執事はいつも父親と一緒だ。


たまに俺の事も構ってくれるが(ありがた迷惑)基本父親と一緒だ。


恐らく父親の仕事関係の雑務手伝いが彼の主な仕事なのであろう。


多分名前はコール?だったと思う。

多分ね!

何を隠そう興味が無くても知能は成人を越えているから覚えてしまうのだ。天才かっ!




そしてイリア。1番俺がお世話になっているメイドだ。


身体が弱くあまり構ってあげられないミリルの代わりに、俺のお世話役なのであろう。

大体扉を開ける魔法や、本を読んで貰う魔法を使う時は彼女の場合が多い。


お世話係兼、教育係なのかも知れない。


そんな彼女を一言で表すなら。

そう、クールだ。


基本ポーカーフェイスで笑った所をあまり見た事が無い。


少し冷たい印象を受けるが、根は優しいのであろう。


俺がいつも履いているパンツに便をぶっ放しても、嫌な顔1つせず拭った上、変えてくれる。




まぁ仕事だからなのかな?







話を変えよう。

家の事では無く、この世界の事で得た知識について。



先ず初めに。


俺が今居るここはカロリア大陸のヴォルジュ帝国という事。

このカロリア大陸には大きく2分して、魔族以外の国がある方と、魔族の国がある方に分かれている。


地図にすると。

左側が今俺が居るヴァルジュ帝国もある魔族以外の国がある方。

山脈や樹海で真っ二つに分けて、右側が魔族の国がある方。


と言う形になる。


右側の詳細な所はうちの書斎から見つけた地図には書いてはいなかった。


左側の詳細に関しては、6つの国が書いてあった。


ここヴァルジュ帝国の他に、

アリスラ共和国

グリル国

モールド国

デリン国

エストア教国がある。


この6つの国は六大国と呼ばれている。

他にも中小国があるにはあるが、主な国はこの6つだ。


中でも俺の目を一際引いたのはアリスラ共和国。


アリスラ共和国には魔導学校なる物があり、色んな国から魔導を極めたいと望む人々が集う学校があるらしい。


行ってみたい。凄く行ってみたい!



この世界には人族、魔族、の他にドワーフ、エルフ、獣人等もいるらしい。


魔族は基本地図で言う左側にはあまり居ない。


寧ろこちら側に居るのを見つけたら総出で退治するらしい。


それについては、約700年前に大規模な魔界戦争が勃発してからだそうだ。

それまではお互い不干渉であったみたいだが。


前魔王が突如として左側。

魔族の国以外の国がある方に攻め入って来た事が始まりで。

それからと言う物、仲は最悪だとか。


700年前の戦争で、勇者が魔王を倒してからは大きな戦争は無いらしい。

と言うか魔王とか勇者とか居るのか……


それが1番驚きだ。



まぁそんな危なっかしいのは置いといて。


他の種族は魅力的だ!


獣人と言えば巨乳のイメージしか無いし!


さぞや立派な物をお待ちなのであろう。


語尾にニャンとか付いてるのだろうか?

最高だ。

興奮しか湧いてこない。


それにエルフと言えば美男美女と相場が決まっている。


お胸は基本小さいイメージだが、時折巨乳のエルフも居るのであろう。

いや。居る!絶対に居るのだ!


あー!エルフに会えるのも楽しみになってきたなー!


素晴らしい世界に転生してくれた神様?ありがとうございます!


これから一生の忠誠を誓います!







魔法に関してもいくつか分かった事がある。


やはりこの世界には、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、治癒魔法、その他に、聖魔法、闇魔法、時空魔法なる物があるみたいだ。


大抵1種類か2種類は普通の人でも使え、使える種類はその人の属性適性に依るらしい。


メイドのイリアもこの情報が載った本を読み聴かせてくれていた時に、俺がイリヤに向かって「ウー?」って言ったら「自分は風魔法が使えます。」と言っていた。


そして魔法には初級、中級、上級、最上級とランクがあり、なんの訓練も受けていない普通の人では初級止まり。


訓練を受けて居る人で中級まで扱えるかどうからしい。


更には魔法適性自体が高い人、言わば魔法使いと言われる存在の人達になると上級も扱えるとか。


最上級クラスになると、ほんの一握りの魔法使いが使えるか使えないかという扱いである。


結構シビアな世界だった。


しかしそれでも心が踊ってしまう。

とは言え俺の事だ。

どんなに良くても中級止まりであろう。


もし魔法自体の適性がある様であれば、上級を目指したい所ではあるが。


あまり過度な期待はしない事にしよう。何せ俺であるしね!キリッ



それから魔力総量。要はMPだ。


これは属性適性と一緒で、生まれ持った才能なので後々伸びたり変わったりなんて事は無く、生まれ持った総量、適性がそのままその人の一生の能力になるらしい。


怖っ








まぁ属性適性はこの際良いとして。

魔力総量だけはどうしてもそれなりに欲しいと願ってしまう。


しかし鍛える事が出来ないのは結構詰んでいる。

何せ努力ではどうにも出来ないのだから。


どっかのボクシングジムの会長もこれは想定外であろう。


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