第六十六話 森の噂?うわ、めんどくせえ!?
翌朝。
ギーナ宅では、一晩置いてまた守の居場所談義が開催されていた!
「守は今、体育館倉庫にいる!」
「いや!どっかの屋上でたたずんでるんだよ!」
…何か様子がおかしい?その通り。守の居場所談義は、いつの間にやらふざけあいに変化していたのである!
「お、お前ら…そんなところに居る訳無いだろ!」
これは守の父親だ。さすが親、まじめに考えて…
「守は森の中で修行をしているんだ!俺達の世界に帰っているわけが無いじゃないか!」
いると思った方。不正解です。ふざけあいが始まった時点でギーナの親どころか守の親までふざけてました。
「なるほど!確かにそうだ!」
「…そろそろやめない?」
ギーナの少し怒りのこもった一声で、その場は静まった。
「まじめに考えてる私がばかみたいじゃない。全く…で、一つ思い出した事があるんだけど…」
その場の視線が、ギーナに向く。
「これは職場で聞いた話なんだけど、あの森はメタフォの森って言って、”消える森”とも呼ばれているわ。」
「”消える森”?あの森、消えるのか?」
「ええ、消えるのよ。…そこに入った人が、たまにね。」
個人差はあるものの、森に入った全員が青ざめる。既に守が消えてしまっているからだ。
「消えるって…どういうこと?」
タカミが訊く。
「結論から言うと、消えたって言うのはただの勘違い。別に本当に人が消えたって事じゃないわ。」
全員がほっと息を吐いた。
「じゃあ、何で消えたなんて勘違いを?」
「フラル、もしもフォルフが人間になっていたら、その人がフォルフだって気づく?」
「そりゃ気がつかないよ!」
フラルの口調は、わかりずらい。
「まあ、それと似たような事が起きたから勘違いしたのよ。
動物の姿になってたり、顔とか体型とかが変わってたり、性別が変わってたり、とかね。」
ここでフォルフは気がついた。昨日会った怪しい女の服装が、守が着ていたものと全く同じだった事を。
『…俺は、守に昨日会ってたかも知れない…それが守だとは気づかずにな…』
「「「「「「「「「「「「ええっ!?」」」」」」」」」」」」
「…ホント…?」
その場にいた全員が、驚愕した。
「…朝…か…」
眠い。…ん?何か今、声が高かったような…
「えぇ!?…ああ、そうか…そういえば、なんか女になったんだっけ…」
部屋にあった鏡を見て、改めて思った。
鏡に映っているのは、黒い目をした、黒い髪が腰の辺りまで伸びている少女。男だった時の面影は、よく探せばある。でなければ見つからない。
しかし…結構見た目は良いな。自分で言うのもなんだが。まあ、本当は男だしな。
とりあえず、昨日の森で同じものを探してみよう。今は女だから性別が変われば男になる。つまり戻れる。
「とりあえず、行くか…」
俺は宿屋を出た。その直後だった。
「…ん?そこのカワイコちゃん!俺と一緒に遊ばない?」
金髪の、まさにチャラ男と言える奴が、俺に話しかけてきた。
「「「「「「「「「「「「ええっ!?」」」」」」」」」」」」
のところで、多すぎやしないかコレ?と、思ってました。
人数、合ってましたよね?(チラチラ
追記、合ってませんでした。太郎、マジでゴメン。




