第四十話 あるはずの無かった再会?やっと先に進める!?
あれ?もう四十話なんだ…
「佐藤太郎…だって…?」
俺達は大きな衝撃を受けていた。
「ん?お前ら?太郎を知ってるのか?」
あの日記に出てきていた孫…その正体が、
「知ってるも何も、俺がその太郎だよ、じいちゃん。」
俺達の親友だったからだ…
「そもそも光と守はなんで知らなかったの?幼馴染だったのに。というか、この家に来た覚えは無かったの?」
今のはフラルだ。ようやく口調を変えてくれたらしい。よかった…これで毎回紛らわしいとか思わずに済む!
おっと、今それどころじゃなかった。
「俺も光も、太郎の家を見たことは事は無かったんだ。遊ぶときはいつも俺の家か、光の家だった。」
恐怖から立ち直ったらしい、守が言った。いつ立ち直ってたんだろうか…
「それならしょうがないか。」
フラルは納得したようだ。
「…お前が太郎だったのか…何年も会わないうちに大きくなって…うぅ…」
爺さんは泣き始めてしまった。孫の成長が嬉しかったのだろう。こっちもなんだか涙が出てきそうだ。
「…じいちゃん。まさかまた逢えるとは思って無かったよ。あの人達のことなら、心配しなくてもいいよ。
俺、あの人達が両親でよかったと思ってるよ。」
「太郎…」
二人は泣いた。叶うはずの無かった再会に…
「…しかし、何故太郎はこんなところに来たんだ?」
二人が泣き止んだところで、爺さんが太郎に訊いた。
「…俺、さっきの俺の両親が実は血のつながりが無くて、本当の両親は俺が両親だと思ってた人が事故で、とはいえ殺してしまったっていう話を、
父ちゃんたちから聞いて…もう訳が分からなくなって家を飛び出して、気がついたらこの家の前にいたんだ…」
太郎…
「そうか…あの二人、自分から話してくれてたんじゃな…よくやってくれたよ。あの二人は。」
爺さん…
「今だから言うけど、昔、今の父ちゃんと初めてあって、この人達が太郎の本当の両親だよって言われたとき、なんか信じられなかったよ。」
「まあ、突然そう言われれば、そうもなるか。あれは自分でももう少し良い言い訳を言えんのか!と思うくらいじゃからのう。」
「でも、今となっちゃ、関係ねえよ。俺の今の両親は優しいし、悪さすりゃ叱る。普通の親だったしな。そんな二人のためにも…
ばあちゃんを止めねえと。」
太郎は決意したようだ。自分の祖母を止める決意が。
「まあ、あれは正確に言うと妻じゃないがのう。妻によく似たロボットじゃから、遠慮はいらんぞ。お前達もな。」
爺さんは俺達にもそう言ってきた。
「もちろん!」
「当たり前だ!」
「頑張るわよ!」
「…同じく…」
「俺もだ!」
『俺もだ。』
「私も!」
「僕もだ!」
最後の、僕と言ったのはフラルだ。今度はそれかよ…
「皆、ありがとう。」
「あのロボットは…壊してくれ。これは誰でもない、わしからの頼みじゃ。」
「ああ!」
守が返事をした。あいつはもう大丈夫のようだ。
それにしても、守は一体どうしてあんなに怖がりになってしまったのだろうか?
「ロボットはこの先のドアの階段を下ったところにある研究室にいる。では…頼んだぞ。」
俺達は部屋のドアを開け、階段を下っていった。




