第二十三話 意外な過去?問題だらけの異世界通行!?
「ああ~そんなこともあったな~あれは確か俺達が結婚してしばらく経った頃だったか。あの時は二人して驚いてたっけ。」
父さんも!?というか二人一緒に!?
「あれのおかげで今も夫婦円満で居られたと言っても過言じゃないわ。」
夫婦円満の秘訣は異世界だったのか…なんかすげえ…
「あ、そういえばなんか障壁とやらが出せるって言ってたな。今出来るか?」
「ほい。」
さっきフラルが暴走してた時も出来たので、普通に出来た。
「……本当に出しやがった…」
「さっきの話より、こっちのほうが信じられないくらいだわ…」
まあ、そうかもしれないな。
「ところで、父さんや母さんは、なにかできないのか?異世界に行って、何も無しに帰って来れるとは思えないけど…」
「…魔法を少し使えるだけだ。母さんもな。」
「ええ…」
あやしい。でも、今回は不問にしよう。ここで問い詰めるのもなんか悪い気がするし。
「話は変わるが、ギーナ達は出来れば泊めて欲しいんだが…」
「もちろんオーケーだ。守も泊めてもらったことだしな。」
良かった。これで異世界組は路頭に迷うことにならなくて済む。
「いいんですか?」
「当然よ。でもどうやって帰るの?」
そういえばこいつらが帰る方法はどうすれば…
「守が使った方法で試してみようかと。」
「あっちでは失敗してたような…」
「まあ、私の推測が正しければ、大丈夫よ。」
『外れていたら?』
「その時はその時。他の方法を探すわ。」
「その時まで、この家は使ってくれてもかまわないわ。なんならずっと住んでても良いのよ?」
「まあ、そうなった時はお願いします。」
しかしこの方法。一つだけ問題がある。
「なあ、ギーナ。」
「何?」
「あの方法なんだが…どこでするんだ?」
両親がハッとした表情になる。
「え?そりゃこの家の庭で…」
「この家、庭なんて無いわ。車の駐車スペースは地面がコンクリートだから、丸なんて描けない。」
「コンクリートって何ですか!?」
こんな状況でも知的好奇心が強いフラルが訊く。
「まあ、簡単に言うと石のようなものね。」
「じゃあこの家では無理ね…」
「お前ら、チョークでも使ったら良いんじゃねえか?」
俺と母さんが固まる。父さんは天才だったのか…
「チョークって何!?」
またフラルが幼い子供のように訊いて来る。なんかかわいい。
「まあ…コンクリートとかにも描けるものかな?まあ、この件は解決したと思って良い。」
「本当に!?」
異世界組は嬉しそうだ。…待てよ。
「地面が光ってるところ見られたらやばくね?魔法も無い世界で。家は駐車スペース以外の敷地をぎりぎりの広さで使って、しかもその駐車スペースは道路に面してるから必然的に他の人からは見られる。よって駄目だ。ただ…」
「ただ?」
「丸なら何でもいいならだが…一つ方法がある。」
「なに?」
「それは…紙にでも書いて、家の中で穴を空ければ良い。誰も外で、地面に描かなきゃいけないなんて言ってないからな。」
キリッという効果音を付けられそうな表情で言う。なんか下らないなこのやりとり。特に内容が。
「ああ!その手があったか!さっそく準備だ!」
皆で準備を始めた。
グダってきた気配…
構想期間でも設けようかな?




