閑話
テグウ神官様、ルを連れたダと、久々の再会。
「おい、人質のくせになんか、元気そうじゃないか?」
思わずと言った風で、ダが言った。
「人間、することが多いとそんなものです」
テーブルの上に何やら書類を広げている。
そもそも、紙だとかペンだとか、読み書きができない人々の村のどこから出てきたのか。
突っ込みどころは多い。
「で、その様子だと、コピペ大神官はつかまらなかったのですね」
「すまねえ」
「けっこう。素人である村人相手にろくに抵抗もしなかった時点で、あてにはしていません」
「……」
「しかも、ルさんは獣人町で足止めをされていたとか」
「……」
「そんなルさんにぴったりのお仕事があります。獣人町へ戻って、酒瓶づくりを学んできてください。あ、メモ用紙は差し上げます」
「え」
「作った酒を売るとなると容れ物はかかせませんからね。もちろん、回復の泉の水も小瓶に入れて、『奇跡の水』として売り出します」
「誰が買うんだ、そんな物」
「売りに行くんですよ。ルさんが」
「……俺が?!」
何で、俺が商人の真似事を。
そもそも、何処へ売りに行くというのか。
シャン村やガリオン村でもお守り替わり・薬代わりに買う人はいるだろうが……。
ルは考えた。
そもそも、彼らだって金をさほど持っていない。物々交換が主流だ。
「売るのが主目的ではないんだな」
ダが確信したように言った。
「ここには、売るほどの泉の水があるのだという、いわば宣伝だ」
「売るのだって、大事な目的ですよ?」
心外な、とテグウ神官は眉を上げる。
「お金はいくらあっても困りませんからね。ダさんはルさんを送って行ったあと、一度戻って、神殿にバーカウンターを作るのを手伝ってくださいね」
「は?」
神殿にバーカウンター?




