精霊のおかげで音楽スキルが上がる。エルフたちに歓迎される
簡単な童謡の伴奏のようなものが出来上がってきた。
それに合わせて歌うと、ミニ精霊たちはノリが良くなり、さらに上達度は増した。
『いいなあ』
うらやましそうな声がすぐ耳元でささやいた。
見ると半透明の羽を細かくふるわせて飛んでいる精霊を見つけた。
その姿は残念ながら、美しいというモノではなく、本当に虫に近いものだった。
しかしながら言葉を話し人間と変わらない知性を持っているのだ。
「一緒に楽しみましょうよ。教えますよ」
誘ってみる。
『うらやましいなあ』
『でも、人間だよぉ』
『危ないよう』
『汚れているよ』
数が増えていく。
「危なくないですよ―。ほら、手の届かない所まで離れていますよー」
小さい子供に大人気の、ヒーローアニメソングのサビの部分を歌った。
とーもだっちさ―……。
-・・・-・・・-・・・-
ミニ精霊集まりすぎて、伴奏というよりもはやオーケストラ―。
林の中は小ホール。
ミケさん、もう警戒もできずに固まっている。一緒に歌えば楽しいのに。
精霊さんたちは、人間だったら間違いなく一流プロというのみこみの速さで、次々と曲をマスターしている。
今や、惜しまれつつ引退した女性ボーカリスト、歌って踊れるコンサート。
精霊さん達との意思疎通も今やばっちり。
頭の中で思い描いた、引退ライブ完全再現だ。
目に見えないミニ精霊も大勢集まって、カラフルな光あふれるステージを作る。
トンボっぽい精霊さん達はハモリから低音高音・アカペラで楽器の再現など自由自在だ。
「皆さん! 最後まで本当にありがとうございましたー!」
歌手になり切って、叫ぶと、満場の拍手・喝采。サイコー!!
「ん?」
ずらりと並んで涙を流しながら拍手している、この人たち、誰?
-・・・-・・・-・・・-
小一時間後、コピペとミケは、エルフの村で歓待を受けていた。
「まあ、まあ、まあ」
と、酒を飲まされ
「さあ、さあ、さあ」
と、料理が並び、
「まあ、まあ、まあ」
と、一曲、歌わされ、
「あら、あら、あら」
と、デュエットのお相手をし、
そしてすっかり出来上がってしまった。
-・・・-・・・-・・・-
だらしない格好で熟睡し、ようやく目が覚め、ずきずきする頭を起こしたのは、昼も過ぎたころだった。
ここ、何処だ。
しばらくは、ぼやーっとする頭が働かず、隣に寝ているミケさんを見た。
ミケさんは潰れたぬいぐるみのように、ぺたんとうつぶせになったまま動かない。
「うう、……気持ち悪い……」
あ、起きてた。




