どういうルートでどこに行くか、それが問題だ
コピペは人質になったというプレーリ神官を助けるためにテグウ村へ戻ることを提案したが、ミケは
「あほ神」
と一言で切り捨てた。
「それは奴ら自身の問題でお前には何の関係もない。ほっておけ」
えー。
「どうせ、人質になった友人を助けにさっそうと登場。悪人どもをばっさばっさとなぎ倒し……とか考えているのだろうが」
だって、そういう話が好きだもの。
印籠をかざして、へへーさせるやつとか。
気ままな三男坊を名乗っている実は将軍様とか。
かっこいいよね? あ、昭和だとか、歳がわかるとか、無しで、お願いします。
「今のお前には無理」
うー。
「本来の計画では、獣人の村々が点在している山間をぬけて、人族の一番の都市である、ハムズ王都へ入るつもりだった」
一年がかりでたどり着くあの都市ですね。一番大きな神殿があると聞きました。
ミケさん、地面に右へ膨らんだ半円を描く。
「人族の村や町に比べて危険は増すが、用心して越えていけないことはない。獣人ならではのルート・方法もある。基本的には我々は困ったときには助け合いがルールだ。物々交換が主で、手持ちの金が少なくてもどうにかなる」
半円の左に直線を描く。
「この山脈が人族と獣人族を分けている。人族側は危険が少ない。たまに山を下りていく魔物もいるにはいるが」
直線のさらに左に、左に膨らんだ半円を描く。
「人族の村を渡り歩きながら、王都へ向かうコース。本来ならこっちがベスト。
どこかで旅費を稼ぐ必要がある。金銭でのやり取りが主になるからな。
よそ者が信用されにくい。
ギルドに所属している冒険者や、神殿の関係者、お前のような巡礼の神官はその必要性から重宝されるので、本来は旅をしやすいものなのだが」
「では、戻ります?」
「本来ならでは、だ。奇跡の技を持つ大神官、しかも記憶も身寄りもない。さあ、どうなる?」
「うっ」
耳が痛い話が来た。
「早く神殿に助けを求め、その保護の元で、知識を学び、人脈を作り、金を稼いで貯め、護衛を雇う。泉の回復に廻って村々をすくうのはそれからの話だ。順番を間違えている」
ううっ。
「そもそもだ」
ミケさんの容赦ない話が続く。
「お前自身のことだ。本当に名の知られた大神官、かもしれない。ならば神殿に行けばすぐわかる」
おおっ。
「しかし、真逆で実はアグネという者の弟子だったという、可能性を考えていた。
俺がもしも死に瀕していて、しかも記憶の無い者を無事に神殿まで送ろうと思うなら、その者がやんごとなき身分の者だと偽り旅の援助を受けやすいように偽装するかもしれない」
おおおっ。
「どちらにしても、総本山である王都の神殿を目指すのがいいだろう。記録が残っていれば良し。無ければ神官として、きちんと登録せねばな」
おおっ。
「で、だ。まずはこれからの話」
お?




