まずは真面目にお仕事の話をします
初めて会う神官様には聞きたいことがたくさんある。
幸いにも、ノリの良い若い神官は聞いたら嫌な顔をせずに答えてくれそうだ。
けれど、まずは仕事の話。
現町長のシムさんと前町長のミケさんが、話をすすめる。
「まずは現状をご確認いただきましょう」
「そうですね」
洞窟の奥に案内される。奥の一角に木の扉が一つ。開けると見たことのある例の円形の石組み。大きさにして直径三メートル。
あ、でかい。
ほんの一瞬だけそう思ったが、実は違うことがすぐに判明。円の中に一メートル程の円。そして、その中にさらに小さな、三十センチほどの円。木の蓋がしてある。
嫌な予感。
ミケさん円の中に入っていってその蓋を開ける。
少ない、水筒に汲むほどもない。
プレーリ神官が近くによって確認。
「一日では、一年間の現状維持」
交渉を始める。
「三日で、この一番小さな円まで水を増やすことができるでしょう。私の信力の持続は五分が限界、三時間以上の休憩が必要です。残念ながら三日以上滞在しても、結果の向上は望めません。
一日につき、護衛二人の分を含む、三人分の寝食の世話を求めます。
この村を去るときに、五日分以上の食料、それと金貨三枚もしくはそれに相当する物品での報酬を求めます」
若いのに、なんと立派な交渉能力。
苦労してない金持ちの息子とか、ちょっと思ってた。
ごめんなさい。
「あ、私も同じような感じでお願いします」
ここは、話に乗っておこう。
「二人で取り掛かれば、三日が一日半ほどに短縮できるかもしれませんね」
あ、そこは効果倍増じゃないのか。
「時間短縮されても、報酬は同じだけいただきますよ?」
えーちょっとそれは、ミケさんたちには損しかないのでは?
そこで、少し気弱になってしまう。
しかし、余計なことは言わない。まずは様子をみる。空気を読む能力、ここでも重要。
シムさんミケさん、顔を見合わせうなずきあう。
「その要求は妥当だとおもうわ」
あ、そうなんだ
「また、近くに来た時には是非とも立ち寄っていただきたい。そして、できれば、他の神官様たちに会った時、わが町のことを伝えてくれれば、助かる」
先のことを考えているのか。
ミケさんたちは本当に町長さんなんだなあ……。




