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団結し、敵と味方をはっきり区別しよう (一九五二年八月四日)

 これは、毛沢東同志が中国人民政治協商会議第一期全国委員会常務委員会第三十八回会議でおこなった講話の要点である。



 ここ一年、われわれは戦争もし、交渉もすすめ、安定もはかってきた。

 朝鮮戦争の局面は、昨年七月いらい定着するようになったが、国内の財政・経済状態が安定するかどうかについては、そのときまだ自信がなかった。これまでは、ただ、「物価はほぼ安定し、収支は均衡に近づいている」とだけ言ってきた。それはつまり、物価はまだ安定しておらず、収支はまだ均衡していない、という意味である。収入が少なく、支出が多い、これが問題であった。そこで、昨年の九月、中国共産党中央は会議をひらいて、生産増加と節約励行をうちだした。十月にも、わたしは中国人民政治協商会議第一期全国委員会第三回会議で、ふたたび増産節約を提起した。増産節約運動のなかでは、かなり重大な汚職、浪費、官僚主義の問題が摘発されたが、十二月にはいると「三反」運動が展開され、つづいてまた「五反」運動が展開された。「三反」「五反」連動が勝利のうちに終わった現在、問題は完全にはっきりして、天下は大いに安定している。

 昨任、抗米援朝戦争の経費は国内建設の経費とほぼ同額であった。ことしは昨年とちがって、戦費は昨年の半額ですむものと思われる。いま、われわれの部隊は減少したが、装備は強化されている。これまで、われわれは二十数年も戦争してきたが、空軍をもったことは一度もなく、ただ相手に爆撃されるだけであった。いまは空軍があり、高射砲や大砲や戦車ももっている。抗米援朝戦争は大きな学校で、われわれはそこで大演習をしているのである。この演習は、軍事学校をつくるよりもずっとよい。もしも来年もう一年戦うなら、全陸軍が順番に一回ずつ訓練をうけに行くことができる。

 こんどの戦争については、われわれはもともと三つの問題をかかえていた――一、戦えるかどうか、二、守れるかどうか、三、食い物があるかどうか。

 戦えるかどうか、この問題は二、三ヵ月で解決された。敵はわれわれにくるべて、大砲は多いが、士気が低い。つまり、鉄が多くて、気力が足りないのだ。

 守れるかどうか、この問題も昨年すでに解決された。方法はほら穴にもぐりこむことである。われわれは二重の壕を掘り、敵が攻めてくれば、われわれは地下壕にはいる。ときには敵が上の方を占領しても、下の方は依然としてわれわれの手にある。敵が陣地にはいってくるのを待って、われわれは反撃に出、敵に多大の損害をあたえる。われわれはこのような旧式のやり方で近代的な大砲を手にいれているのだ。敵はわれわれをもてあましている。

 食の問題、つまり給養を保証する問題は、長いあいだ解決できないでいた。当時は、穴を掘って、そこに食糧を貯蔵することを知らなかった。いまでは、もう知っている。どの師団も三ヵ月分の食糧をもち、倉庫があり、講堂もあって、生活はなかなかよい。

 いまでは、方針が明確で、陣地が堅固、補給も保証されており、どの戦士もあくまで頑張り通さなければならないことをよく知っている。

 いったい、いつまで戦争をつづけ、いつまで交渉をつづけるのか。わたしに言わせれば、交渉もするし、戦争もする、また、講和もやはり結ばれる。

 なぜ、講和はやはり結ばれるのか。長期にわたって戦いつづけるのは、アメリカにとってひじょらに不利だから、三十年戦争、百年戦争などはありえないのである。

 一、人間が死ぬ。かれらは一万あまりの捕虜をあくまで抑留しようとして、三万あまりの戦死者を出してしまった。かれらの人口は、なんといっても、われわれよりずっと少ない。

 二、金がかかる。かれらは一年に百余億ドルもぎこまなければならない。われわれの使う金はかれらよりもずっと少なく、ことしはまた昨年にくらべて半減する。「三反」「五反」運動で取りもどした金で、一年半は戦える。増産、節約してできた金は、ぜんぶ国内建設にふりむけることができる。

 三、かれらには、国際面でも国内面でも、克服しがたい矛盾がある。

 四、それから、戦略という問題もある。アメリカの戦略的重点はヨーロッパである。かれらは朝鮮侵略のために出兵したとき、われわれが朝鮮支援のために出兵するとは予想もしていなかった。

 われわれのほうは、物事がやりやすい。国内のことは、われわれの考え叫つで決定できる。しかし、われわれはアメリカの参謀長ではなく、この参謀長はかれらの側の人間である。だから、朝鮮戦争をつづけるかどうか、われわれと朝鮮の側は半分しか決定権をもっていない。

 要するに、アメリカにとっては、大勢のおもむくところ、講和を結ばなければ不利である。

 第三次世界大戦がすぐ勃発ぼっぱつするなどというのは、おどかしである。われわれは十生の時間をかちとって、工業を建設し、強固な基礎をきずかなければならない。

 みんながよく団結し、敵と味方をはっきり区別しなければならない。こんにち、われわれが力をもっているのは、全国人民の団結があり、ここにいるみなさんの協力があり、各民主政党、各人民団体の協力があるからである。団結することと、敵と味方をはっきり区別することは、ひじょうに大切である。孫中山先生はりっぱな人であったが、先生の指導した辛亥革命はなぜ失敗したのだろうか。その原因は、一、土地を分けなかったこと、二、反革命鎮圧を知らなかったこと、三、反帝が先鋭でなかったことにある。敵と味方をはっきり区別するほか、内部にはまた是非を区別するという問題がある。両者をくらべてみると、是非の区別は第二義的なものである。たとえば、汚職分子の大多数は反革命分子とは違って、やはり是非の問題であり、改造することができる。

 各民主政党と宗教界では、帝国主義にだまされず、敵の側に立たないよう、教育しなければならない。仏教についていえば、帝国主義とのつながりが比較的少なく、基本的には封建主義とつながりをもっている。土地問題があるため、封建主義に反対すれば、僧侶にも反対することになり、打撃をうけるのは住職、長老のたぐいである。これら少数のものが打倒されれば、「魯智深」①は解放される。わたしは仏教を信じないが、仏教連合会を組織し、連合して敵と味方をはっきり区別することには反対しない。統一戦線はいつかは解消することになるのだろうか。わたしは解消を主張しない。どんな人でも、ほんとうに敵と味方をはっきり区別し、人民に奉仕する人でさえあれば、われわれはその人と団結するものである。

 われわれの国家には、前途があり、希望がある。われわれは以前、国民経済は三年で回復できるのではなかろうかと考えていた。ところが、二年半にわたって奮闘した結果、いま国民経済はすでに回復したばかりでなく、計画的な建設もはじまっている。みんなが団結し、敵と味方をはっきり区別して、われわれの国家を着実に前進させようではないか。



〔訳注〕

① 中国の古典小説『水滸伝』に出てくる英雄のひとり。梁山の農民蜂起軍に身を投ずる前は、普通の僧侶であった。

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